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栃ノ心、初優勝に涙「最高、信じられない」 大関候補へ一躍名乗り

 大相撲初場所は27日、東京・両国国技館で14日目を行い、前頭3枚目の栃ノ心(春日野部屋、ジョージア出身)が松鳳山を寄り切りで下し、1敗を維持。2敗力士がおらず、13勝1敗として千秋楽を残して初優勝が決まった。平幕の優勝は平成24年夏場所で前頭7枚目だった旭天鵬以来(12勝3敗)となる。

 勝てば、初めての優勝が手に入る。栃ノ心は「考えると緊張する。自分の相撲を取ることだけを考えた」という。信念を貫いた先に「最高、信じられない」とインタビュールームで涙をこぼす時が待っていた。

 松鳳山との突っ張り合い。いなされて泳ぎかけたが、すかさず向き直る。左は得意の上手を引けたわけではなく、下手。それでも構わない。前へ前へ。下がることなく攻めきった。

 鶴竜に敗れただけの14日間を「前に前に攻めていた。いい形でも悪い形でもどんどん前に足が出た」と振り返る。かたくななまでに攻めの姿勢にこだわる理由があった。

 192センチ、177キロで筋骨隆々。握力90キロの左腕から振り回したり、強引にうっちゃったりした。右膝を大けがする前の栃ノ心は力任せの取り口で見る者をひやひやさせていた。そして、5年前に靱帯(じんたい)を断裂。幕下まで落ちて引退も考えた。

 復帰してから、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)やおかみに「あと10年は相撲を取らないと駄目、と言われてうれしかった」。そのためには強引に踏ん張って下半身に負担をかける相撲はもう取れないと覚悟を決めた。

 平幕とはいえ、上位陣に総当たりの地位。優勝の価値は高い。大きな花を咲かせた30歳が次の大関候補へ一躍名乗りを上げた。(産経新聞、藤原翔)

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