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【江尻良文の快説・怪説】日本S延長“短縮”でガッポリ、NPBの狙いは引き分けで試合数増「最低でも第5戦までやってほしい」

 日本シリーズの第7戦までの延長規定が、これまでの15回から12回までに変更された。「公式戦に準じる」というのが、主催の日本野球機構(NPB)側の弁だが、引き分けを当てにした試合数増の遠謀深慮が見え隠れする。

 第8戦以降にもつれ込んだ場合は従来通り決着がつくまで戦うが、第7戦までの15回から12回への“短縮”には、ゲスの勘ぐりをしたくもなる。

 日本シリーズには「第4戦で終わってしまったらNPBは一大事。最低でも第5戦までやってほしいのが本音だ」という台所事情があるからだ。

 第4戦までは、入場料収入から共通の経費を控除した額の24%がNPBの取り分。大半は出場球団、選手たちのギャラになる。第5戦以降になると、NPBの取り分は37%に拡大。さらに大きいのが放映権料収入で、日本国内のテレビ、ラジオの放映権料の80%。海外放映のテレビ、ラジオ放映権料に至っては全額がNPBに入る。

 延長が最長15回から12回に3イニングも減れば、投手起用を考えても、無理をせず双方引き分け狙いの展開も増えるだろう。

 ちなみに日本シリーズで直近の引き分けは、2010年の西村ロッテVS落合中日の第6戦(ナゴヤドーム、2-2)までさかのぼる。

 そのおかげで同年は第7戦まで持ち込まれるベストな展開となり、最終的にレギュラーシーズン3位の西村ロッテが“下克上日本一”を達成。球史に新たな1ページを加えた、印象に残る日本シリーズとなっている。

 さて、今回の規定変更で日本シリーズに引き分けが増え、NPBの財政が潤うことになるか。他人の懐具合ながら気になるところだ。(江尻良文)

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