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【甘辛戦記】加藤征師ノンコと海外の夢 批判乗り越え中央GI初V「ホッとしました」

 直線で大外へ。ノンコノユメは先に抜け出したゴールドドリームを目がけ一直線に伸びたが、馬体を合わせた途端に他馬を気にする面を出し、脚いろが一緒になってしまった。

 「2着か…」と加藤征調教師がつぶやいてからが、“新生”ノンコのハイライトだった。レコード勝ちした根岸Sで性格を見抜いた内田騎手が叱咤を飛ばし闘志が再点火、スッとゴールドをかわしたところがゴールだった。「あの乗り方しかないね」と、トレーナーもウチパクを絶賛だ。

 ここまでの道のりは険しかった。3歳時にJDDを勝ち将来を嘱望されていたが、気性が荒く、装鞍所で暴れスタッフに危険が及ぶほどだったため、16年夏に去勢。気性は穏やかになり体も柔らかくなったが、インで砂をかぶる競馬が続いたことから他馬を気にする面が出て、完敗が続いた。

 一時は去勢に批判の声も上がったが、「若いころから打たれ強い」とトレーナー。「いかに砂をかぶらせないようにして気分良く走らせるか」をテーマに掲げたここ数戦でジョッキーには“大外一気”をオーダー。そして結果を出した。

 02年の開業から、のべ45頭目の挑戦でJRA・GI初制覇。東京都調布市の出身で、少年時代に乗馬苑で腕を磨いた思い出の地だ。「批判もされましたが、根岸Sで復活してフェブラリーSも勝てた。ホッとしました」。トレーナーもまた長い道のりの末、栄冠をつかんだ。

 今後は未定だが、優先出走権を獲得したブリーダーズCクラシックには「非常に興味がありますね」。07年にGIシンガポール航空国際Cをシャドウゲイトで制したこともあるだけに、ノンコとの夢はますます広がりそうだ。 (森田実)

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