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【平昌取材日記 零下20度の街から】冬競技…選手の厳しい台所事情、4年に一度の「ガンバレ」「おめでとう」で片付けてほしくない

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 日本の冬季五輪史上最多となる「13」個のメダルをつかんだ。

 メダルラッシュと騒がれる一方で、冬競技が抱える問題は放置されたままだ。たとえばフィギュアスケートを子供に習わせると、年間で500万円以上かかるといわれる。女子シングル4位の宮原知子(19)=関大=の両親はともに医師。母の裕子さん(48)は「子供のサポートをする時間もほしいけれど、働いてスケート費用を捻出しなければ」と知人に漏らしたという。

 銀メダルに泣いた韓国選手をたたえ、人間性の素晴らしさを絶賛されたスピードスケート女子500メートルの金メダリスト、小平奈緒(31)は、信州大学卒業直前になっても所属先が決まらなかった。最終的に現所属の相沢病院には、他の同期が4月1日付で入社したのに対し、1人だけ16日付にずれ込んだ。

 冬季五輪歴代最多の8度目の出場を果たしたスキージャンプのレジェンド、葛西紀明(45)=土屋ホーム=は、過去に所属先の経営難を経験し、現在3社目だ。

 冬競技の選手の活躍は、個人や家族の必死の努力、一部スポンサーの温かいサポートによって成り立っているが、どこも台所事情は厳しい。

 2年後の夏に東京五輪を迎えるが、冬の競技にも国・自治体のさらなる助成が行き渡ってほしい。4年に一度の「ガンバレ」「おめでとう」で片付けてほしくない。(飯田絵美)

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