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【高校野球 新・名将列伝】敦賀気比・東哲平監督、恩師・小林繁さんとの約束果たす「北陸に優勝旗を」「言葉にできないほどの恩」 (1/2ページ)

★敦賀気比・東哲平監督(1) 

 北陸勢初の甲子園制覇を飾ったのは3年前。敦賀気比を率いて2015(平成27)年、春の頂点に立った。就任5年目、34歳での快挙。東哲平の「この瞬間を目指してやってきた」という言葉には実感がこもっていた。

 一連の優勝セレモニーを終えると、東は優勝投手となった平沼翔太(現日本ハム)を探した。見つけると歩み寄り、肩に手をやってささやいた。

 「小林さんに優勝報告に行くぞ」

 エースは笑顔で力強くうなずいた。

 「小林さん」とは、小林繁のこと。あの「江川事件」の犠牲になって巨人から阪神にトレードされ、エースとして大活躍したサブマリン投手だ。

 引退後はスポーツキャスターなどを務めた後、近鉄のコーチとなって優勝に貢献。日本ハムのコーチだった2010(同22)年1月に福井市内の自宅で病死し、57年の波瀾万丈の生涯を閉じた。

 小林は亡くなる3年前から福井の少年野球チーム「オールスター福井」の総監督を務めており、東は監督、平沼は投手として小林の指導を受けていた。

 東は「小林さんには言葉にできないほどの恩がある」と言う。東が社会人野球・三菱自動車川崎を2年で退社して挫折する経緯は後述するが、救いの手を差し伸べたのが小林だった。

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