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【小林至教授のスポーツ経営学講義】MLB 高額FA選手の所属先が決まらない理由 セイバーメトリクス定着で費用対効果の低さあらわに (2/2ページ)

 もうひとつは、セイバーメトリクス、特にWAR(勝利への貢献度の評価指標)の定着だ。その一球一打、守備走塁まで、すべてのプレーが数値で評価できるようになり、スター選手のほとんどが費用対効果としては割に合わない価格になっていることが、数値をもって表現されるようになったのだ。そして実際、この3年間も、高額FA選手に投資をしていない球団がワールドシリーズに進出している。

 近年の年俸高騰および契約期間の長期化は、インターネットビジネスの成功やローカルテレビとの契約額の劇的な向上が背景にあるが、それもほぼ天井で、家族4人で観戦に行けば平均5万円を要するなど、ゆがみも生じている。今季の高額契約の停滞は、市場が必要としていた調整局面がようやく来たと考えるのが自然だろう。

 ■小林至(こばやし・いたる) 1968年1月30日生まれ。東大から1991年ドラフト8位で千葉ロッテに指名され入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となったが、1軍登板なく93年退団。その後、米コロンビア大で経営学修士号取得。02年から江戸川大学助教授。05年から14年までソフトバンク球団取締役を兼任。現在、江戸川大学教授、専門はスポーツ経営学。

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