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【小林至教授のスポーツ経営学講義】エンゼルス・ソーシア監督退任 去りゆく“昔かたぎ”の指揮官 (1/2ページ)

 マイク・ソーシア(59)がエンゼルスの監督を退いたことで、米大リーグから昔かたぎの監督がついにいなくなった。昔かたぎは、米国ではオールド・スクール(old school)と表現されるが、大リーグにおけるオールド・スクールな監督とは、選手の起用や作戦は勿論のこと、昇降格や補強などのチーム編成についても権利と責任を持っている監督のことである。

 世の中が複雑化、高度化するに伴い、分業が進み、文明を進化させてきたことは、皆さんご存じのことだろう。野球の世界でも同じことで、かつてエースは中3日で先発完投、大事な試合にはリリーフでチームのピンチを救うことを求められたが、いまや先発は中4日で100球がメドで、クローザーは勝ちゲームの1イニング限定、8回担当のセットアッパーに、近年は7回担当まで、分業化は進むばかりである。

 そんな高度分業化された世界に、二刀流で100年前の光景を蘇らせた大谷翔平は奇跡以外のなにものでもないが、その大谷を指揮したソーシア監督も、現場はユニホーム組の仕事で背広組に口出しをさせないという、一昔前の監督像を貫いた奇跡的な存在であった。

 かつて、ヤンキースの名物監督だったビリー・マーチンが3度目の監督就任会見(1983年)で、「編成権を任せてくれたから引き受けた」と切り出し、同席したスタインブレナー・オーナーが「そんな約束をした覚えはない」と返し、そこから口角泡を飛ばす口論に発展したシーンは、米国の野球ファンの間では有名だが、今は昔。

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