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【怪物の名産地 岩手の謎】雄星の出現で“野球弱小県”が激変! (2/2ページ)

 中学3年時に軟式球で147キロをマークし“スーパー中学生”と騒がれた現・仙台育英(宮城)の左腕、笹倉世凪投手(1年)も岩手県(花泉町)出身。「小さい頃に見た雄星さんの姿は本当に衝撃的でした。岩手出身でも甲子園で勝てるんだという気持ちにさせてもらえた」と目を輝かせる。岩手の野球少年に与えた影響は絶大だった。

 さらに、当時中学3年だった大谷が菊池に憧れて花巻東への進学を決めたように「県内の逸材が他県の強豪ではなく、県内で進学を考えるようになったことも大きい」と佐々木明志氏。1人の怪物の存在は後に続く怪物の出現に貢献している。

 新進の指導者を育てる気風も、好素材を成長させる上で大きな要因だ。菊池と大谷を指導した花巻東の佐々木洋監督(43)も、佐々木朗希を預かる大船渡の国保陽平監督(32)も、地元岩手出身。

 岩手は伝統的に、ライバル校同士であっても交流が密だ。佐々木明志氏は「他県ではOBですら口も聞かないという関係性もあるようですが、岩手ではそういうことはない。シーズンオフに年に1回のペースで1泊2日だけですが、県内の指導者交流会を持っています。他にも監督同士の交流は盛んに行われていますし、最近は主力チームだけではなく、2軍レベルのBチームによるリーグ戦も盛んです」

 県内出身の逸材を県全体で育てようという風潮が強いという。

 そして、岩手の野球を語る上で11年に起きた未曾有の大災害の影響は避けて通れない。(片岡将)

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