記事詳細

ヤクルト、ドラ1奥川「即戦力」の看板下ろしたワケ 体力面にかなりの不安…球団側は“急がば回れ”の育成方針に転換へ (2/2ページ)

 球団が用意した契約内容にも、そうした思いが貫かれている。「出来高の部分では、数年を通じて達成できればOKというものもある。高校生ですから、来年すぐにというものではない」と橿渕デスク。5000万円分の出来高払いには最長5年間、数年間にわたって有効な項目を多数盛り込んだ。1年目で即結果を求めるのではなく、将来の成長を見込んだインセンティブだ。

 奥川自身も「最初から1軍で投げて勝てるのが一番うれしいですが、何よりも1軍で長く活躍できる投手になりたい。(来年は)その土台になる1年にしたい」と足下を見つめている。

 ただ、今夏甲子園の智弁和歌山高戦で見せた延長14回23奪三振1失点の完投劇や、U-18W杯カナダ戦での7回18奪三振といった、高校生離れした快投を目にしたファンが、ルーキーイヤーからの大活躍を楽しみにするのは無理からぬことだ。

 橿渕デスクは「この間のスタッフ会議でもまさにそこが焦点になった。結論が出ないんです。普通の高卒選手としてのプランがいいのか、それとも彼のための特別なものが必要か」と悩ましげ。

 「まずは1月の新人合同自主トレに入ったときの動きや、そこに至るまでに積んできた練習内容を見て判断することになる。こちらから彼に(出場時期や数字を)求めるということはありません。年間を通して投げる体力をつけるため、何が最善かを考えている」と試行錯誤を続けていく。

 前出関係者によると、「『即戦力ではない』という評価の部分で契約金と出来高を『最高評価から一段下げるべき』という意見もあった」というが、将来的な期待の大きさを契約に反映させることで最終的に決着した。

 ドラフト前後の夢の時間は終わり、厳しい勝負の世界への入り口に立って、現実と向き合うチームとルーキー。球界の宝を預かるヤクルトの責任は重大だ。=金額は推定

関連ニュース