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議論白熱! アストロズ“サイン盗み”疑惑で一番得したのは誰? (2/2ページ)

 この情報をもとに、ファングラフスのジェイク・メイルホット氏が、5月19日以降とその前のデータを比較したところ、全球種で5月19日以降の方が、打者のパフォーマンスが上がっていることを確認。「少なくとも年間で5勝は多く勝てた計算だ」と結論づけた。

 小さな体で特大のホームランを打てることで評判のホセ・アルトゥーベ二塁手は、開幕から5月18日まで緩い変化球に対する得点期待値が本拠地でマイナス6・5点だった。ところが5月19日以降、プラス4・24点にまで劇的に上昇。本拠地では緩い変化球を情け容赦なく痛打したり、手を出さずボールを選んだりした確率が上がり、出塁率も・274から・365に跳ね上がったとした。

 ただ当時40歳、メジャー最後の年だったベルトランは、数値にまったく変わりがなかったとし、「前もって球種がわかっても、単純に体が反応しない状態にあったと考えられる」と分析した。

 こうした議論を受けてニューヨーク・デーリーニューズ紙は1日、改めて「アストロズは本当にインチキで得したのか?」との特集を組んだ。

 守備の名手だったダグ・グランビル氏(49)=現ESPN解説者=は否定派。「選手は打つ直前に球種を言われても戸惑うだけ。むしろ妨げになる。その味方からのサインが一度でも間違ったら、選手は疑心暗鬼に陥る。私も二塁走者からのサインは要らないと言ったものだ。チームのサインがあまりに複雑で、打撃に集中できなかったからだ」と述べた。

 ただ、アストロズが17年以降もサイン盗みに固執してきたとの報道は後を絶たない。グランビル氏は「アストロズは1つのテーマを与えられると、組織全体で熱心に取り組むことで知られる。17年以降も取り組んで、さまざまマニュアルを作り、訓練を積み、サイン盗みから起きる負の部分を払拭して、ヒットにする方法を習得した可能性はある」とした。

 それが事実と証明されれば、「野球の尊厳を奪う行為というしかない」とデーリーニューズ紙。

 こうした専門家たちの分析のどれが正解なのか? セイバーメトリクスの先駆者、ビル・ジェームズ氏からは「結論づけるにはサンプルが少なすぎる」と疑問符も。徹底的な調査を約束したMLB機構の結論は、いったいどうなるのだろうか。(片岡将)

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