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【福島良一 メジャーの旅】球史に残る大汚点!アストロズのサイン盗み

 米球界にとって最悪の日となった。昨年秋から球界を揺るがしたアストロズのサイン盗み疑惑が「クロ」と断定。大リーグ機構がジェフ・ルノーGMとAJ・ヒンチ監督に1年の職務停止処分など厳罰を科した。

 これまで何度も取り上げたように、大リーグでは昔からサイン盗みが盛んだ。彼らは相手に勝つためなら手段を選ばず、「ゲームの一部」として捉えている。それで相手に盗まれたと気付いたら、投手が打者にボールをぶつけて一件落着だ。

 だが、サイン盗みも時代とともに巧妙な手口となり、最近は電子機器を使用。アストロズの場合は外野席に設置した高解像度カメラを使って打者に伝達。これを組織ぐるみで行っていたというからもっての外。9人全員にぶつけないと駄目だ。

 主犯格のルノーGMがデータ野球を推進し、ヒンチ監督が常勝軍団を構築。2017年に球団史上初の世界一となり、以来3年連続100勝以上と圧倒的な強さで地区優勝。その一方で、テクノロジーを駆使した禁止行為があったとは…。

 サイン盗みと断定された17-18年途中までの成績を見れば一目瞭然だ。17年ポストシーズンを振り返ると。ホームの試合で8勝1敗、打率・273。対してロードでは3勝6敗、打率・208。これでは疑われても弁解の余地がない。

 しかも、1つの球団だけで問題は解決せず。翌日には18年世界一のレッドソックスがサイン盗み疑惑の調査結果を前に、同様の厳しい処分が避けられないアレックス・コーラ監督を解雇。さらにメッツは、昨年11月に就任したばかりのカルロス・ベルトラン監督(42)の解任を発表した。

 17年に現役最終年だったベルトラン監督は、サイン盗みを主導した選手として名前が挙がっていたが、わずか4日間で3球団の監督が解任される異常事態となった。

 大リーグの歴史において、1919年ワールドシリーズでホワイトソックスの主力8人が八百長を行い、永久追放となった「ブラックソックス事件」に匹敵するぐらい、大きな汚点を残すサイン盗み事件となった。(大リーグ評論家・福島良一)

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