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伊藤美誠に張本智和も…五輪代表V逸の“番狂わせ”はなぜ起こったか 卓球全日本選手権

 卓球の全日本選手権最終日は19日、女子シングルスで東京五輪代表の伊藤美誠(19)が同い年の早田ひなとの準決勝で敗退。男子シングルス決勝でも同代表の張本智和(17)=木下グループ=が敗れ、波乱の幕切れを迎えた。

 史上初の3年連続3冠(シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)達成目前で敗れた女王は試合後、涙を浮かべ「持っているものは出したんじゃないかと思う」と振り返った。前日の女子ダブルスでコンビを組み、優勝を喜び合った早田とこの日は敵として対峙。よほど悔しさがこみ上げてきたということだろう。

 一方、最新の世界ランキングで5位の張本も、2歳年上ながら同54位と“格下”の宇田幸矢に接戦の末、敗れた。

 日本勢でメダル候補筆頭格の2人が、代表にも選ばれなかった伏兵に苦杯を飲まされた。だが、五輪への視界がくもることはないと、卓球関係者が根拠を力説する。

 まずは、ドイツで28日から始まるワールドツアー。参戦予定の代表6選手は、こちらに照準を合わせている。昨年12月の同グランドファイナル(中国)から時間もたち、「今大会でいきなり全力を出すのは正直、厳しい側面もある。選手から『調整が難しかった』という話も出ていた」。

 一方で、五輪選考とは関係のない大会ではあるものの、全日本選手権は「非常に名誉ある試合。ここで頂点に立ちたいと思う選手は多い。気の入り方が違う」。代表から漏れた早田、宇田ともに非常に高いモチベーションで臨んだ結果、新王者と新女王が誕生した。

 しかも2人とも10代というのも、特筆すべき点だろう。今夏の五輪のみならず、4年後のパリ五輪を見据えても卓球界の未来は明るい。今回の番狂わせに抱くべきは不安ではなく、層が厚く熾烈な競争を勝ち抜いた代表選手たちへの期待だ。(山戸英州)

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