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【神谷光男 スポーツ随想】タイミング逃した「五輪延期」 世界の笑いものに…聖火リレー出発前に決めるべきだった (1/2ページ)

 延期か中止かと、いろんな人がいろんなことを言い合っている間に、ギリシャで採火された聖火が20日、航空自衛隊松島基地着でとうとう日本にやってきた。

 「聖火が来たぞ。いよいよ東京五輪だ」と平時なら大騒ぎになるところだろう。しかし、現実は悲惨だ。コロナウイルスの感染拡大が全世界に及び、イタリアやノルウェーなどのオリンピック委員会からは「五輪は延期すべき」との声が上がっている。

 米国では、世界最多の五輪メダリストを輩出し、大きな影響力を持つ水泳連盟が「1年延期に尽力を」と米国オリンピック委員会を通じ、国際オリンピック委員会(IОC)に申し入れ。陸上競技連盟も足並みをそろえて延期を要請した。

 「大会を7月に開催するという主張は第1に世界の人々に、第2に準備する選手に危害を加える行為としか思えない」

 身内のIОC委員、ヘイリー・ウィッケンハイザー氏(カナダ)は、そこまで言い切った。

 外国ばかりではない。日本オリンピック委員会(JОC)の山口香理事は「選手は情報共有されず不安や不満が山ほどあると思う。私の中では延期しないで開催する根拠が見つからない」と公言した。これには山下泰裕会長が「みんなで力を尽くしていこうというときに、そういう発言は極めて残念」と不快感を示したが、山口理事の正論に一本取られた格好だ。

 複数の世論調査によると、東京五輪の予定通りの開催は8割方の国民が「無理」と思っている。「何が何でもやるんだ」と開催にしがみつく、一部のお偉方の駄々っ子のような姿に嫌気がさし、「もうどうでもいい」という雰囲気すら漂う。