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Jリーグ“クラブ倒産”に現実味 『クラブを潰すな!』合言葉に「Jリーグ銀行」誕生へ

 サッカーJリーグも「緊急事態宣言」だ。公式戦再開時期が全くみえてこないが、試合(興行)が行われなければクラブの利益が生まれず、J1~J3まで全56クラブのいずれかが倒産する可能性が現実味を帯びてくる。

 村井満チェアマン(60)は「Jリーグもある種“非常事態”の中にある。クラブが安定したサービスを提供できる状態、経営基盤を守る」と、何があってもクラブを倒産させないことを明言。そこで「クラブを潰すな!!」を合言葉に「Jリーグ銀行」が誕生する。

 Jリーグにはこれまで経営難に陥ったクラブに対して行う「安定開催融資制度」がある。通常はJ1・1クラブにつき上限3億円、返済期間は1年だ。従来これを受ければ勝ち点10がマイナスとなるが、このシステムを見直す。

 「J1は3・5億、J2は1・5億、J3は3000万円を上限に、返済期間も3年にする。勝ち点が減ることもありません」(Jリーグ担当者)

 目玉はこれだ。2005年から始まった「安定開催融資制度」には積立金が10億円ある。この金額を元金に、Jリーグ自体も融資を受ける準備をして、金銭的に苦しくなったクラブに融資する「Jリーグ銀行」という形をとり、各クラブの融資相談を随時受けるシステムを構築中だ。

 各クラブには「内閣府や各自治体の融資制度についても詳細に話をしている」(担当者)と通告済みで、Jリーグ銀行の本格始動に向けて「業務」がすでにスタートしている。またこのJ1を対象にしたリーグ戦上位4チームに、3年間で還元される「理念強化分配金」の100億円の一部をクラブ救済の資金として投入。再開した場合に優勝賞金などを減額することは、全クラブが了承済みだ。

 J1札幌では選手会の総意としてプロ契約全28選手の報酬の一部、約1億円の返納をクラブ側に申し出た。しかし、J3などは試合をしない方が赤字が出ないという現実もある。56もあるクラブの経営状況は千差万別だが、村井チェアマンは「資金難の報告は受けていない」とした。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

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