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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】私が対戦したすごい助っ人編 予測不能の“嫌らしい”動き! 元ドイツ代表・リトバルスキー

 Jリーグがスタートした1993年、誰もが知っているすごいメジャーな外国人助っ人が、たくさん日本にやってきました。

 対戦して一番驚いた選手ですか? ジェフ市原(現千葉)でプレーした元ドイツ代表MFリトバルスキー(60)ですね。彼と私は同い年。W杯優勝1回(90年イタリア大会)、準優勝2回(82年スペイン、86年のメキシコ大会)を経験したドイツ代表のレジェンドです。

 何がすごいって、表現するのが難しいんですけど、横方向への幅のある動きなんですよね。足は決して速くはないんですよ、その動きは“ザク・ザク”という表現が一番近いかなぁ、相手からすると予測がつかない、実に嫌らしい動きをしました。

 それからキックフェイントが、とにもかくにも、うまかった。蹴ると思わせるような動きをして相手にフェイントをかけて動き出す。加えて相手を呼び込む懐の深い縦横無尽なプレーをしていましたね。

 Jリーグ元年にはリトバルスキーやリネカー(名古屋)、そして日本代表監督にもなったジーコ(鹿島)も来ました。いざ、対戦するとすごいプレーは連発するんですけど、私は描いていたイメージとは全く違うプレーをした選手もいました。

 リトバルスキーの場合はその両方をもっていましたね。ドイツ代表といえば頑丈なフィジカルをいかしたプレーヤーが多いのが伝統でしたが、リトバルスキーの身長は公称1メートル68しかありません。今はアルゼンチン代表のメッシに代表されるように上背が低い選手は一にも二にもスピードを切れ味となるのですが、リトバルスキーの場合は違いました。

 今から27年前のお話ですが、彼の懐の深い“ザクザク”したあの憎らしい動きは今でもはっきり染みついています。決して忘れられないですね。(元J1横浜監督・水沼貴史)