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【西本忠成 トラとら虎】阪神暗黒時代のエース、キーオさん死去 “お家騒動”に負けず45勝

 阪神暗黒時代のエース、マット・キーオさんが1日、米カリフォルニア州南部で亡くなった。64歳の若さだった。死因が不明なのが気にかかる。1992年、飲酒癖から騒動を起こし、逮捕されたのを外電で知った時はため息が出た。

 メジャー通算58勝の実績を背に阪神入りしたのは87年。長い低迷期の序章になるとは知る由もなかっただろう。開幕直前、ミスタータイガース掛布が飲酒運転で逮捕される。ナインの士気は萎え、最下位転落。吉田監督解任。11勝を挙げたキーオは、2年前の日本一が信じられなかった。

 88年、村山監督の下でもゴタゴタは続く。主砲バースの長男が難病を患い、野球どころではない。巨額の手術費を巡り球団と大モメ。交渉役の古谷球団代表は心労が重なり、出張先の東京のホテルで飛び降り自殺。キーオは言葉を失った。12勝をマークするもまた最下位。掛布、バース引退。一時代の終わりを目の当たりにした。

 89年、最下位脱出(5位)。キーオは15勝を挙げて貢献したが、裏で内紛が勃発する。9月、村山監督に限界を感じたフロントは、一枝元ヘッドコーチの監督招へいに動き、内定にこぎつけたが、一枝氏は第三者の介入に嫌気が差して就任を拒否。慌てて中村元2軍監督を後任監督に据えるドタバタで、翌年また最下位。ナックルカーブで打者を翻弄したキーオも限界にきたのか7勝に終わり、解雇された。

 通算45勝は阪神の外国人投手ではバッキー、メッセンジャーに次ぐ歴代3位だが、その誇りより4年で3人の監督など、相次ぐお家騒動に呆れていたかもしれなかった。 (スポーツライター・西本忠成)

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