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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】日本で一番愛された外国人GK “クモ男”シジマール (1/2ページ)

 Jリーグの歴代助っ人でGK部門の貢献度ナンバーワンといえば、シジマール(57)=現J3藤枝ヘッドコーチ=でしょう。

 覚えていますよね、そう「クモ男」です。このニックネームは本人も大のお気に入りだそうで。ブラジル人GKで身長183センチは普通サイズでしたが、とにかく手が長い。両手を広げた長さは193センチもあるとか。身長より10センチも長いGKはなかなかいませんから。「手が長いのはラッキーだった。でもね、狭い日本のホテルでは髪を洗う際によく手をぶつけたよ」と本人は笑って話しているそうです。

 1993年後期からJ1清水にやってきました。あの頃は延長戦の後にPK戦もありましたが、やりにくい相手でしたね。始まる前に彼は両手を大きく広げて、「左右上下、どこでも止めてやる」と必ず威圧してきました。

 ここで「うわぁ、デカイ…」と思った瞬間、もうそこでOUT。彼の思うツボです。私はPKを蹴る前に、GKが大きいと感じてしまうと、よく外していました。PKにおける駆け引きの重要性を、彼はJリーグに教えてくれました。

 実はもともとはGKコーチとして来日したそうです。でも、当時のレオン監督の「現役でやってくれ!」という鶴の一声で、ユニホームを着てピッチに立ったんです。

 清水は93年前期は18試合25失点、しかしシジマールが加入した後期は18試合9失点。ステージ優勝争いを演じました。シジマールはこのシーズンで731分間連続無失点を達成。