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【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】「香川だ!!」と分かるゴール前のキレッキレ自在な動き

 ラ・リーガ(スペインリーグ)2部で16日、サラゴサの香川真司(31)が、前半19分に見事なゴールを決めました。新型コロナウイルスによる中断期間があったとはいえ、約9カ月ぶりの得点です。長かったですね。

 このゴールを採点するなら100点満点。どこがすごいのか。誰が見ても「香川だ!!」とわかる、らしさが凝縮されたような一撃でした。

 サラゴサの左CKからの攻撃がクリアされ、相手がDFラインをあげてきたところで、味方の2次攻撃のこぼれ球に率先して反応したのが香川でした。ペナルティーアーク中央付近で、ゴールを背にしてボールを受け、素早く振り向きます。この「素早く」ができるかどうか、それが彼の好不調を見分けるひとつのポイントでもあります。

 レベルの高いFWは、相手ゴール付近で振り向く動きができます。しかも、このゴールにはプラスアルファの動きがありました。オフサイドもかいくぐり、香川は高い技術で自分らしいシュートが打てる位置、いわば“スイートスポット”にボールを置きました。最後は何の迷いもなく、右足を振り切るだけでした。

 プロ野球でもありますよね。ホームランバッターが確実にオーバーフェンスできるように、自分の間合いまでボールを呼び込んで打つ。それと同じです。

 狭いスペースでも、自分の技術で自由自在にボールを扱える。香川らしいキレッ、キレッな動き。見ているわれわれも実に気持ちがいい。ドルトムント、そしてマンチェスター・ユナイテッドと名門クラブへ一気に駆け上がったのは、このゴールのような動きができたからこそ。世界で食える技術は今も健在です。

 香川はコロナで中断期間中、子供たちへ向けた社会貢献活動なども率先してやっていました。この試合では後半22分に交代しましたが、配給したパス19本の成功率は100%。いかに心身のコンディションが充実しているかを物語っています。(元J1横浜監督・水沼貴史)

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