記事詳細

【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】初勝利をもたらすビッグプレー! 神戸・イニエスタ“美技”の秘密

 神戸MFイニエスタ(36)が今季も魅せてくれました。2試合連続で先発した、8日の明治安田生命J1第3節鳥栖戦。チームに初勝利をもたらすビッグプレーが生まれたのは、0-0で迎えた後半30分でした。

 MF山口蛍の縦パスをMF郷家がおしゃれにヒールパス。それを受けたイニエスタは「鳥栖はゴール前に人数を集めて守備をしてきた。だから(パスを出す)スペースが上しかなかった」という言葉通り、右足でフワリと浮かせるボールタッチでした。この計算された浮き球にFWドウグラスがジャンピングボレーで合わせて先制。アウェーながら、1-0で勝ち切りました。

 今季の各クラブはしっかり「神戸対策」をしています。それはとりもなおさず、イニエスタのラストパス封じです。4日の前節広島戦で、彼がフル出場しても0-3で完敗したのは、パスが回るのが中盤より後ろばかりで、なかなか起点が作れなかったから。しかし今節では、しっかりスペースを見つけてそこを突いた、イニエスタの勝ちでしたね。

 言い尽くされていますが、改めてイニエスタはどこがすごいか。それはスペースさえ見つければ前後、左右、そして上下のどこにでも、緩急自在のパスを出せることです。今節の秀逸な浮き球パスも、プロならもちろんできるプレーではありますが、違いはその精度。練習でこのシーンを10回やったとすると、イニエスタなら80%近い成功率でしょう。すべての位置や方向に、精度の高いパスを出すということはなかなかできません。だから超一流なんです。

 今季のJリーグの過密日程は、イニエスタでも経験のないことでしょう。でも、出場すれば必ず何か魅せてくれる。11日の次節からは有観客試合になりますが、今季もイニエスタは生観戦がお勧めです。(元J1横浜監督・水沼貴史)

関連ニュース