記事詳細

【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】“日本のシャビ”大島僚太の卓越したセンス 川崎の超攻撃的布陣の中心、10戦負けなし

 J1川崎が絶好調です。7連勝を含め今季の公式戦10試合でまだ1度も負けていないんです。これは、なかなかできることではありません。

 今季はシステムを1トップから3トップに変えました。超攻撃的布陣に変貌です。これがばっちりハマりましたね。負けないチームの中心にいるのがMF大島僚太(27)です。これまでは守備にも目配りをせざるをえないボランチのポジションでしたが、今季は1列前に上がりました。

 これは選手にとって、かなり大きな出来事。プレーする世界がまるで違ってきます。距離でいうと、約10メートルもゴールに近くなる。そして、大島の技術とセンスが存分に生きることになります。

 そのプレーは元スペイン代表MFシャビを思い起こさせます。欧州選手権連覇や2010年W杯南アフリカ大会で優勝した黄金時代の主力は、何よりもボールをペナルティーエリアまで運ぶ技術に長けていました。細かいパスで連携を作り、パスを受けると即座に次のパスを出せる技術も、次のプレーにつながる計算もできる。これがスペイン代表や所属クラブのバルセロナを強くした、「ティキ・タカ」というプレースタイルです。

 “日本のシャビ”こと大島は、ゴールを狙うときもこのスタイルに忠実。1日のJ1第8節G大阪戦の一発がそうでした。後半3分、ペナルティーエリアに入り込んだMF三笘薫からのリターンパスを受けると、「ワンタッチで打とうというイメージを持っていた」と右足を振り抜き、見事なゴールを決めました。

 ボールを受けたらすぐ次のプレーができる。この特長こそが、身長168センチの大島の存在感をより大きくしています。日本代表でももちろん、欧州強豪リーグに移籍しても十分、通用する選手です。(元J1横浜監督・水沼貴史)

関連ニュース