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“ブルージェイズの守護神”ドリスを開花させた藤川球児の経験値 「自分の成績よりチームの勝利」に説得力

 阪神から7年ぶりに米大リーグに復帰し、ブルージェイズのリリーフエースとして活躍中のラファエル・ドリス投手(32)。日本での飛躍は今季限りで現役引退する古巣の元守護神、藤川球児投手(40)の存在抜きには語れない。

 ドミニカ共和国出身の右腕は100万ドル(約1億6000万円)の単年契約で、前巨人の山口俊とともにブルージェイズに今季加入。ここまで防御率1・61と好投を続けており、故障した守護神に代わって抑えも任され4セーブを挙げている。チームは田中将大を擁するヤンキースを抜いて、ア・リーグ東地区の2位。プレーオフ進出をうかがう大健闘だ。

 日本の4年間で96セーブを挙げた経験が生きている。阪神時代のドリスについて、球団関係者は「去年までウチには日本で実績があったメッセンジャー(昨季限りで引退)がいたけど、助っ人同士といってもやっぱり合う、合わないはあるから。そこをフォローしていたのが球児。マテオ(2018年限りで退団)と一緒に食事へ連れ出しては、愚痴の聞き役に徹しながら、片言の英語を交えてアドバイスしていたよ。2人も『メジャー経験のある先輩』として尊敬していたから、指摘されたことを素直に聞く。だから日本でも成功できた」と証言する。

 藤川は名球会入り条件の日米通算250セーブまであと「5」に迫っていることもあり、13年から3年間で3セーブに終わった米球界挑戦を惜しむ声もあるが、メジャーでの経験は後輩を育てるうえで、大きな意味があったことになる。

 独立リーグを経て15年オフに阪神に復帰するころには、「自分の成績よりも『チームの勝ち負けにこだわる』ということを徹底していた。後輩も納得できる経験をした人だから自然と耳を傾けるし、それが結果として育成にもつながっていた」と前出関係者は明かす。

 藤川の薫陶を受けたトラの後輩投手たちも、海の向こうのドリスに続いて大きく羽ばたいてほしいものだ。(山戸英州)

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