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【神谷光男 スポーツ随想】狙いが透けてみえる五輪に中国ワクチン バッハ会長自ら公開接種せよ (1/2ページ)

 中国の狡猾さにはいまさら驚きもしない。自国製の新型コロナウイルスのワクチンをこれまで69の途上国に無償提供したそうだが、支援というより丸め込みの狙いが透けてみえる。

 さらに、東京五輪・パラリンピックの出場者向けにワクチンの提供を、国際オリンピック委員会(IOC)に申し出たという。中国外務省の趙立堅報道官が12日の記者会見で、提供時期や数量など「具体的情報はまだない」としながら、「IOCや関係国と意思疎通や調整を進める」と明言した。

 なんと親切な、と言ってやりたいところだが、全ては己のためらしい。来年の北京五輪を巡り、中国国内のさまざまな人権弾圧に「五輪開催の資格なし」と、米国などを中心にボイコットや開催地変更を求める声が高まっている。東京五輪が中止になれば、その半年後の北京五輪も開催が危うくなるのは目に見えている。そこでワクチンの提供によって五輪への貢献として訴えかけ、「北京五輪もよろしく」とアピールするつもりだろう。

 中国製ワクチンは治験データの開示がなく、欧米では安全性が疑問視されているが、IOCのバッハ会長は「東京五輪に参加するすべての選手に提供する。選手費用はIOCが負担する」と語った。何としても五輪を開催したいIOCとしてはワクチンは最後の砦。しかも安く手に入るに越したことはなく、中国の申し出に“渡りに船”と飛びついた感じであまりにも安易だ。まず、バッハ会長自身が公開接種して安全性を証明してみせろ、と言いたい。

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