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【神谷光男 スポーツ随想】政治に翻弄、東京五輪が“一大感染イベント”となったら…USOPC会長「私たちは現実的になる必要がある」 (2/2ページ)

 バイデン大統領が何と言おうと最終的に参加を決めるのはUSOPCであり、フランス、スペイン、ノルウェー、ブラジルなど多くの国のオリンピック委員会からも、五輪延期を求める要望がIOCに続々寄せられているという。不参加第1号になった北朝鮮以外の国がひとつでも不参加を表明すれば、不参加ドミノがアッという間に広まる可能性は大きい。

 誰が何と言おうと五輪は開催し、たとえ強豪国不参加でも日本がざくざくメダルをとり「やった、やった」の余韻の中で解散・総選挙。それが政権の描いているシナリオらしいが、代償として外国メディアが指摘するように、五輪そのものが感染のホットスポット(急増地)になったら一体誰が責任をとるのか。

 首相は就任当初、「2021年前半までに全国民にワクチン接種」と大見えを切ったものの、見通しは甘すぎた。そういえば「人類がコロナに打ち勝った証し」として五輪を開催する決意のはずが、首脳会談では「世界の団結の象徴」に変わってしまった。ワクチン接種率1%未満で「打ち勝つ」のは夢物語と気がついたのかもしれない。(作家・神谷光男)