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【神谷光男 スポーツ随想】五輪の開催条件提示も所詮は机上の空論 “強行”するなら責任の所在を決めて (1/2ページ)

 東京五輪までほぼ1カ月。あれほど「中止」を声高に叫んでいたテレビのワイドショーも、手のひら返しでメダル候補や注目競技など、五輪の話題を取り上げるようになった。

 とはいえ、見ていると喜々として「さあ五輪だ」ではなく、「やっぱりやるのか」といった諦観漂う雰囲気さえ感じられるのは筆者だけだろうか。まだまだ世間には開催反対論がくすぶり続け、政府分科会の尾身会長ら専門家有志からは「無観客開催が望ましい」とする提言が出された。

 大会組織委員会は政府の大規模イベントに関する制限を適用し、観客を「最大1万人」とする方向だが、この期に及んでも最終的にどうなるかは決まってないという。テレビ業界のモチベーションがイマイチ上がらないのも無理ない。

 尾身氏は観客を入れる場合、現行の大規模イベントより厳しい基準を設け、観客は競技開催地の住人限定などを提案している。とはいえ住所までどう調べるのか、机上の空論としか思えない。

 組織委も「人流抑制の観点から会場への直行、直帰、時差来場、会場内でのグループ飲食を控えるなど、観客向けのガイドラインの素案を公表した。直行はともかく五輪を見物し、盛り上がったところで直帰せよといわれて素直に帰るものだろうか。

 組織委はまた「たとえばマスクを外して大声で応援し、何度注意してもきかない方には退場いただく」としている。では何人のスタッフが監視にあたり、どうやってチェックして穏便に退場させられるのか。ここまで行動を干渉されてまで五輪は見たいものだろうか。

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