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【神谷光男 スポーツ随想】外国とのレベル差は百も承知だが…期待せずにはいられない陸上男子100メートル (1/2ページ)

 長生きはするものだ。決勝のスタートラインについた8人のうち、4人まで9秒台という豪華メンバー。25日夜の陸上日本選手権男子100メートル決勝は、世界には歯が立たず「脚の短い日本人はマラソンだけやってりゃいいんだ」と揶揄された不毛な時代が嘘のようではあった。

 2017年に桐生祥秀が初めて「10秒の壁」を破る9秒98をマークすると、19年にサニブラウン・ハキームが9秒97、小池祐貴が9秒98、今年6月には山県亮太が9秒95と続いた。東京五輪の参加標準記録は10秒05で、前回リオの10秒16に比べかなりの厳しさだが、日本選手は5人がクリア。米国の20人に次ぎジャマイカと同数で、3枠しかない日本代表がいかに狭き門かを物語っている。

 10秒15で歴史的な激戦を制したのは多田修平。10秒01の自己記録を6日に鳥取の小競技会でマークしており、文句なしの代表内定だ。日本記録保持者の山県も10秒27で3位に入り、これまた即代表に内定。3人目は山県と同タイムながら4位の小池が有力で、10秒28で5位の桐生、10秒29で6位のサニブラウンは、ともに100メートルで代表を逸する厳しさだった。

 さて、陸上の、というより大会の華ともいえる五輪本番の男子100メートルはどうなるのか。これまでの最高は1932(昭和7)年ロス大会の吉岡隆徳の6位(当時は決勝進出者は6人)。スタートダッシュは世界一ともいわれ「暁の超特急」の異名をとったが、中盤以降スピードを維持するパワーが外国勢に劣り、メダルには届かなかった。

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