春・夏の甲子園が合体! 甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる春の「選抜高校野球大会」(毎日新聞社主催)と夏の「全国高校野球選手権大会」(朝日新聞社主催)は、それぞれの主催者が相互に後援することで合意したことが26日、関係者の話でわかった。主催権獲得を望む読売新聞社に対する対抗措置ともみられている。
朝日・毎日両社の関係者らによると、相互後援の話し合いは今年に入って本格化。センバツ出場校決定の参考とする秋季地区大会前の今月、合意に達したという。来春の第82回選抜大会に朝日新聞社が、夏の第92回全国高校野球に毎日新聞社が後援につく。
合意の背景には、読売新聞社の動向がある。同社首脳が近年、「許されるなら(大会の)主催権をいただきたい」と公言するなど、高校野球本格参入を目指す動きを見せている。
日本高等学校野球連盟(高野連)内部でも、読売の参入や主催権の移管は検討課題になっているという。この読売参入への対抗措置として朝日・毎日がタッグを組んだというのだ。
また毎日放送が視聴率の低迷を理由に、2003年からセンバツのテレビ中継を準決勝と決勝だけに縮小するなど、「人気にかげりが見えるセンバツのてこ入れ」(関係者)という側面もある。
毎日新聞社では1977年から主催してきた将棋・名人戦でも2006年、日本将棋連盟と契約額をめぐって折り合いがつかず、連盟が朝日新聞社に主催社を移管する方針を表明。最終的に朝日との共催を受け入れた経緯がある。
一方、朝日には、どんな思惑があるのか。関係者は、プロ野球・巨人軍を抱える読売が高校野球を主催した場合、高校野球が「プロへの選手供給源」となり、「プロとアマの線引きがあいまいになる」ことを危惧した、と明かす。
読売主催となると、高校野球の主戦場が東京ドームに移行することも予想され、「春夏甲子園開催の伝統が崩れ、夏の大会が取り残されて形骸化し、甲子園の価値が下がる可能性がある。こうした事態を回避したかったのも理由」と説明する。
ただ、プロ選手の輩出を視野に置く強豪校や、それを期待する選手・保護者らの間にはプロへのパイプ強化を望む声もあり、「読売の非参入は期待をそがれた格好」(関係者)との指摘もある。
高校野球の現場では2007年4月、専修大学北上高校で野球部員に対しスポーツ特待で奨学金を支給していたことが発覚した。日本学生野球憲章に違反するとして野球部は解散。これに対し「時代遅れ」「野球だけ特待生を禁止するのは不自然」との批判が起き、2010年をめどに憲章の改訂を考える検討委員会が発足するなど、プロ・アマの線引きにかかわる議論が続いている。
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今回の相互後援をめぐる問題について、毎日新聞東京本社、朝日新聞東京本社は26日朝の本紙の取材に「担当者がおらず、コメントできない」、読売新聞東京本社の広報担当者は「(回答に)少し時間をいただきたい」としている。