18日にセ・パ両リーグのMVPが発表される。セでは巨人の主砲アレックス・ラミレス外野手(35)の2年連続受賞が確実視される。だが野球解析の専門家からは、攻守に卓越した数字を残して史上初の快挙を達成した、同僚の阿部慎之助捕手(30)を推す声があがっている。
【「捕手の重責担いながら1位」】
「今年の阿部は主に捕手を務めながら、OPSでリーグ1位。これは日本プロ野球史上、3回目の大記録を達成したということができます」
そう話すのは野球解析家の道作氏。「OPS」とは打者を評価する指標のひとつで、出塁率と長打率を足したもの。打率や打点よりも得点との相関性が高いため、米球界では重要視されている。
一般に1.000を超えれば球界を代表する強打者、.900台なら一流打者とされる。今季の阿部は打率.293ながら、OPSは.943で堂々リーグトップ。ちなみにラミレスは打率.322で首位打者だが、OPSは.891と阿部に遠く及ばず同5位だ。
しかも阿部は守りの要とされる捕手である。OPS1位に輝いた捕手は過去に1963年南海・野村克也(1.004)と75年阪神・田淵幸一(1.096)の2人しかいない。今季のセ他球団の正捕手を見ても、OPSがリーグ平均に達した打者さえいない。
さらに今季の阿部は打棒だけではない。道作氏は「捕手の重責を担いながらOPS1位を記録した上に、チームの失点をリーグ最少にとどめた。これは野村、田淵にもできなかった、史上初めての大記録です」と記録的価値の高さを称賛する。
阿部は17日、WBCの連覇をたたえて都内で行われた侍ジャパンの表彰式に出席。特製のチャンピオンリングを手に「本当にうれしい。3年ぶりに結婚式のタキシードを着られて、リングもきれいで最高です!」と笑顔を見せた。
阿部は昨年10月に右肩を痛めながら今春のWBCに参加し、開幕後は主将兼選手会長としてチームを日本一に導いた。一方のラミレスはWBCとは無縁。4番打者の重責を担ったが、守りでは足を引っ張った面も。
道作氏は「普段から捕手のリードの重要性、守備における捕手の比重の高さ、捕手の負担、捕手で強打者であることの難しさなどを言い立てている人たちは、MVPで阿部に投票したと思いたいが…」と話している。(笹森倫)
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