20日に開幕するパ・リーグ。6日遅れの26日に始まるセ・リーグ。各球団ともにオープン戦にも熱が入るが、共通しているのは守護神不在だ。新たな抑え作りに取り組む監督、神通力復活を願う監督、どのチームも頭を痛めている。
「巨人・長嶋監督が『魔神が出てきたらもう終わりです。打てません。ごめんなさいですよ』と脱帽した、ハマの大魔神、横浜・佐々木のような絶対的な抑えは、もう出てこないかもしれない」と、抑え不毛時代を口にする球界OBもいる。
確かに厳しい現実がある。12球団で最初から決まっている実績のある抑えは半分しかいない。中日・岩瀬、ヤクルト・林、阪神・藤川、広島・永川。パ・リーグでは日本ハム・武田久、ソフトバンク・馬原。
が、岩瀬、藤川も、かつてのように出てくれば「もう試合は決まった」と、相手があきらめムードになるほどの神通力はない。走者を出しながらなんとか逃げ切る、青息吐息の試合は少なくないが、監督はプライドを考えるから、配転はできず、忍の一字。林、永川、武田久、馬原もそれなりの実績はあっても絶対的な存在ではなくなっている。が、だからといって代役はいない。
「岩瀬で負ければ仕方ない」とは中日・落合監督の弁だが、阪神・真弓、ヤクルト・高田、広島・野村、日本ハム・梨田、ソフトバンク・秋山監督も忍耐派になるしかない。一方、楽天・ブラウン、ロッテ・西村、オリックス・岡田、横浜・尾花の新監督は新しい抑え作りに取り組んでいる。楽天がモリーヨ、横浜もブーチェックと新外国人投手。ロッテ、オリックスはそれぞれ小林宏、小松と先発からの配転だ。巨人・原、西武・渡辺両監督は決めかねている。
右ヒジ手術のクルーンにメドの立たない巨人は、元ロッテ・前インディアンスのキャリア十分な小林か、球威のある中継ぎの越智を回すのか。西武は一番悲惨だ。故障上がりの抑えのグラマンが昨年に続き絶望的な状態で、候補の1人だった工藤までがパンク。有力候補の名前すらあがってこない。
12球団共通の絶対的な守護神不在は試合をもつれさせ、最後の最後までファンを一喜一憂させることになりそうだ。
(夕刊フジ編集委員・江尻良文)