王監督、秘蔵っ子城島の大活躍に歓喜も複雑な思い

2010.03.29


ソフトバンク・王貞治球団会長【拡大】

 セ・リーグ開幕の主役を務めた阪神・城島健司捕手の雄姿を、一番喜んでいるのはソフトバンク・王貞治球団会長(69)だろう。

 28日、王会長は東京・墨田区新総合体育館内にオープンする王貞治コーナーの除幕式に出席した。生まれ育った墨田区から第1号の名誉区民賞を授与された経緯がある。野球人生の原点が墨田区ならば、常勝監督として栄光をつかんだのは単身赴任で乗り込んだ福岡だ。

 その福岡でのダイエー、ソフトバンク監督時代に育て上げた自慢の秘蔵っ子が城島だ。「城島は特別な選手。阪神でも絶対に活躍する」。事あるごとにこう太鼓判を押していただけに、驚異のスタートダッシュに、わがことのようにうれしいだろう。ただ手放しで喜んでいられない。

 マリナーズへFA移籍したときにも快く送り出し、「メジャー挑戦の後にもう1度、日本でプレーすればいい」と復帰を楽しみにしていた。城島も「メジャーで稼ぐだけ稼いだら、もう1度ホークスへ戻ってプレーしたい」と明言していた。

 ところが、城島がいざ日本球界へ復帰しようと決意したら、ソフトバンクのフロントは大金のかかる城島の獲得にびびってしまい、電光石火の阪神に取られてしまったのだ。

 「城島は特別な選手だから、絶対に必要だ」と、声を大にして城島の必要性を訴え、本人とも会食した王会長の強い願いはかなわなかった。城島の大活躍を見るにつけ、師匠としての喜びと同時に、「だからホークスに復帰させていれば…」という思いはつのるだろう。

 王会長には巨人OB会会長という肩書もある。これまた城島効果で、阪神が巨人のリーグ4連覇を阻止するようなことにでもなれば…。秘蔵っ子の大活躍には、歓喜の中にも複雑な思いもある王会長だ。(夕刊フジ編集委員・江尻良文)

 

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