セ界に閉塞感もたらす巨人野球、格差社会打破には交流試合?

2010.05.06

 巨大戦力・巨人の首位はセ界に閉塞感をもたらす!? 世の中の格差社会がそっくりそのままセ界に反映されているからだ。12日から始まるパ・リーグとの交流戦が、閉塞感を打破する救世主となるかどうか。

 「そこまでやって勝ちたいか」。3年前のなりふり構わぬ巨大補強の巨人に対し、こう言い放ったのは、阪神監督時代のオリックス・岡田監督だった。ヤクルトのエース・グライシンガー、4番・ラミレス、横浜の守護神・クルーンを獲得したのに激怒しての発言だったが、確かに核心を突いていた。セ・リーグに格差社会の到来だ。

 昨年の5番・亀井。今季打撃30傑のトップを走っていた松本。開幕から4連勝の内海…。誰がいなくなっても痛くもかゆくもない、あり余る巨大戦力が首位にいるのは当たり前だ。「もうセ・リーグの灯は消えたのか」と球界関係者が嘆くように、セ・リーグには閉塞感が漂う。

 「中日の野球には閉塞感が感じられる」。こう言ったのは、昨年リーグ3連覇を達成したときの巨人・原監督だった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選手を1人も派遣せず、けが人を隠し、ファンに対しても沈黙を決め込むオレ流の落合野球を痛烈に批判したのだ。が、原監督の言葉はそっくりそのまま今の巨人に当てはまる。「物量で押し切って勝つ巨人には閉塞感が感じられる」と。

 阪神が巨人戦に孤軍奮闘しているものの、中日に足を引っ張られ、巨人包囲網もできない。富める者・巨人軍と貧しい5球団の格差は歴然としている。「巨大補強は企業努力だ」と巨人関係者は言うだろうが、そんな建前論では片づけられない。「メジャーのぜいたく税のように、ある額を超えた巨大補強をしたチームはお金を払うシステムにしないとおかしい。巨人はいつも安く取ったように言っているが、実態は全く違うのだからね。たとえば、グライシンガーの年俸が2億5000万円だとすれば、他に出場給など様々な方法であと2億5000万円を出すとかする」

 他球団関係者からこういう声があがるのは当然だろう。セ・リーグは格差社会そのものになっているからだ。球界全体に閉塞感が蔓延したら大変なことになる。パ・リーグ6球団が交流戦で打倒・巨人を実現して、最悪のケースを回避するしか道はない。(夕刊フジ編集委員・江尻良文)

 

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