105マイル(169キロ)の剛速球を引っ提げて31日にメジャーデビューしたレッズのキューバ人左腕、アロルディス・チャプマン投手(22)が大旋風を巻き起こしている。デビュー戦でいきなり球速103マイル(166キロ)を記録。キューバン・ミサイルの異名をとるその豪腕に大リーグ最速記録更新の期待は高まるばかりだ。
デビュー戦となったのが同日、本拠地シンシナティで行われたブルワーズ戦。ブルペンで投球練習を開始しただけで、ネット際は黒山の人だかりに。8−3とリードした8回に救援でマウンドに上がると、フラッシュで球場はものものしい雰囲気となった。
初球は98マイル(158キロ)の直球だったが、記念ボールとしてただちに保管された。投げるたびに加速し、この日の速球はテレビ画面で103マイル、球場内表示で102マイル(164キロ)を記録。カーブも鋭く、三者凡退に打ち取る期待通りの投球で、華々しくデビューした。
1995年以来の優勝を目指して、ナ・リーグ中地区首位を独走するレッズの切り札がチャプマンだ。1年目の今季、傘下3Aルイビルでは39試合に登板し、9勝6敗9S、防御率3・57だが、リリーフに転向してから好投を続け、昇格直前の8月27日のコロンバス戦では105マイル(169キロ)を記録している。
キューバでの少年時代は、もともとボクサーを志望していたが、体格が大きかったことから中学時代に野球へ本格的に転向。スポーツ学校へ通って才能を磨くと、剛速球でめきめきと頭角を現し2007年にはナショナルチーム入り。2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で代表に選ばれた。
そして同年7月、キューバ代表の遠征先だったオランダで亡命し、アンドラ国籍に。大リーグ各球団の激しい争奪戦の末、破格の6年総額3025万ドル(25億7000万円)で契約した。
「はじめての舞台だからもちろん緊張した。とてもエキサイティングな夜だった」と大リーグデビューを果たしたチャプマン。上り調子でもあり、105マイルの剛球を目当てに観客が詰めかけている。
ちなみにこれまでの大リーグ最速とされているのは、05年にヤンキースのA・J・バーネット(当時マーリンズ)が記録した104マイル(167キロ)。しかし計測が正確でないなどの批判が持ち上がり、未公認となっている。チャプマンが105マイルを出せば文句なしの大リーグ最速記録更新となる。
