衝撃の第2回 野球に八百長はありま…

2011.02.10


相撲に比べ野球で八百長するのは難しい【拡大】

 八百長問題で大相撲春場所が中止となりました。茨城の水戸五中時代、野球部だったボクは、柔道部と合同で相撲部を結成。主将として茨城県大会に出場し、準優勝した経験があります。雅山関ら角界に多くの友人がいることもあり、この八百長問題は、大いに関心を持って経過を見守っています。

 大相撲だけじゃなくて、プロ野球にも八百長はあるんじゃないの?

 そんな疑問を持たれている夕刊フジの読者のみなさんのために、今や球界を離れて、何でも言える立場のボクが、ズバリお答えしましょう。

 プロ野球にも1960年代に「黒い霧事件」があり、数人の選手が八百長問題で球界から永久追放されました。台湾野球では今でも大問題となっているし、実際、ボクが現役時代も、ある在京球団の主力投手が「八百長しているのでは」というウワサは耳にしたことがあります。ただ、相撲と野球が決定的に違うのは、チームスポーツで道具を使う野球は絶対に筋書き通りにコトが運ばないという点です。

 八百長があるとすれば、投手が“手加減”することが、まず考えられます。でも、いくら打者に打たせようと思って投げてもホームランはおろか、ヒットになる確率もそんなに高くならないのが野球なのです。

 実戦形式の打撃練習で、投手が打者に対し、球種を告げてから投げるケースがあります。打者は、どんなボールがくるか分かっていても、ヒットになる確率は4割くらい。投手経験のないボクが主力打者相手に打撃投手役をかって出て、直球とスローボールだけで対戦しても、20打数で6安打といった具合です。

 「先発投手の漏洩」もタブーとされています。西武時代、ボクも「先発投手を外部に漏らした」と週刊誌上に書かれ、ビックリしたことがあります。その記者が、パ・リーグは予告先発であることをよく理解しないで書いたことが分かり、事なきを得ましたが…。

 しかし、予告先発のないセ・リーグでは、相手の先発投手を当てるのは戦略上重要です。相撲で問題となった暴力団が地下で行っている野球賭博も、先発投手によってハンデが変ってくるといいます。そんな黒い交際を避ける意味でも、「誰が先発するか」は、各チーム内において極秘事項となっています。

 ただ、先発漏洩がグラウンド内での八百長に直接結びつくとは思えません。相手の先発投手が分かれば、十分な対策を練ることができるのは確かですが…。ボクが西武の1軍打撃コーチだった時の例を紹介しましょう。

 先発ローテに入っている投手は年間、試合で計約2000球を投げます。打撃コーチは対戦前、それを過去3シーズンにさかのぼって分析するのです。3年間で実に6000球。それだけ多くのデータをとると、傾向はハッキリ出ます。

 日本ハムのダルビッシュでいえば、直球が56%、スライダーが27%。多くの球種を持っていることで知られるダルビッシュですが、実は直球とスライダーだけで8割を超えるのです。

 ただ、それほどキッチリと傾向と対策をたてても、打ち崩せないのが実情。超一流のダルビッシュだけでなく、他の投手でも同じです。予告先発のシステムをとるパ・リーグの現状が、先発漏洩と八百長が結びつかないことを実証しています。

 そのほか、ここ一番で野手がエラーしたり、打者が三振したり…ということも考えられるかもしれません。しかし、そんなことをすれば、次の出番がなくなる恐れだってあります。選手は何千万円、何億円という年俸をかけてプレーし、球団、ファン、マスコミも目を光らせています。バレれば永久追放。それを考えれば、割に合わない八百長などしようと思わないのが普通でしょう。

 読者のみなさん、期待外れ(?)かもしれませんが、プロ野球に八百長は100%ありません。150キロの剛速球を木のバットで150メートル飛ばす−。そんなプロのガチンコ勝負を、うがった見方なしで存分に楽しんでください。

 ■デーブ大久保氏は東京・新宿区の自宅で野球教室「デーブ・ベースボールアカデミー(DBA)」を開校。少年野球はもちろん、草野球チームでプレーしたり、子供にアドバイスするため技術論を学びたいというお父さんの入校も大歓迎。問い合わせは、(電)03・5982・7322(13時〜18時)。またはホームページ(www.dba−school.jp/)まで。

 ■大久保 博元(おおくぼ・ひろもと) 1967年2月1日、茨城県大洗町生まれ。水戸商高から豪打の捕手としてドラフト1位で西武入り。92年にトレードで巨人へ。「デーブ」の愛称で親しまれ、95年に引退するまで、通算303試合出場、41本塁打。2008年に打撃コーチとして西武に復帰。昨シーズン途中、雄星への暴力行為などを理由に球団から契約解除される。

 

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