G外国人8投手 バニスター父は真面目だったが息子は…

2011.03.04


メジャー37勝のバニスターは、不運もあり5回途中5失点も、9安打は打たれすぎだ【拡大】

 3日のオープン戦・巨人vs西武(東京ドーム)を取材して、忘れられない名前を改めて耳にした。「バニスター」。巨人の新外国人でこの日先発したブライアン・バニスター投手(30)のことだ。

 ブライアンの父、フロイド・バニスター(55)は1990年、メジャー通算133勝の実績を引っさげ破格の条件で野村ヤクルト入りした左腕投手。当時、おれはヤクルトの投手コーチを務めていたのだ。

 このフロイドには、米ユマでの春季キャンプからびっくりさせられた。ランニングから投球練習、ウエートトレーニングに至るまで独自の練習方法が確立されていて、トレーニングコーチおよび投手コーチいらず(おれ自身が必要なかったということだけど)。あんなクソ真面目な外国人選手は、あとにも先にも見たことがないよ。

 公式戦では、前年に手術した左肩が癒えず、3勝を挙げただけで6月に解雇の憂き目にあったが、あの練習に対する姿勢だけは、当時ヤクルトの主力だった尾花高夫(現横浜監督)、川崎憲次郎、宮本賢治らにとっても良いお手本だった。息子のブライアンもそのあたりは受け継いでいるはず。利き腕は父とは逆の右だが、おれは正直言って応援したい気持ちを抑えられない。

 そのバニスター、肝心の投球は4回2/3、9安打3奪三振5失点(自責点4)。浅村に食らった2ランは味方のエラーの直後だったし、5回には自分が出した走者を、降板後にあとを継いだ2番手の須永が2暴投、2四球の乱調で生還させてしまった不運もあった。とはいえ、5回も満たずに9安打とはいくらなんでも打たれ過ぎだ。

 2月23日に韓国・ハンファとの練習試合(那覇)に登板したときも見たが、カットボールが得意で安定感はある。完璧に抑えることはできないまでも、5回2失点くらいで試合をつくることはできる投手とみている。

 巨人は今季、8人もの外国人投手を支配下登録している。同時に1軍にいられるのは3人までだから生存競争は激烈だが、現段階で決め手を持つ投手は見当たらない。

 クルーンに代わる新守護神として期待されるアルバラデホは、那覇で見た限りでは、アーム式の投法で打者にとってタイミングを合わせやすく、制球も良くない。何より走者を出した際、クイックモーションが拙く、修正しないと今のままでは盗塁は無料(タダ)、走られ放題である。

 育成選手出身のロメロも抑え候補だそうだが、こちらの方がまとまっている。もっとも、中継ぎが適任ではないか。

 原監督は、昨年まで先発ローテの柱を担っていたゴンザレスの抑え転向も選択肢のひとつとしているそうだが、こればかりはやってみないとわからない。先発候補の新顔トーレスは、アルバラデホ同様にアーム式の投げ方で、実績のあるゴンザレス、グライシンガーを超えるものが今のところ見いだせない。

 抑えに関しては、アルバラデホでもゴンザレスでもなく、結局は越智か山口に落ち着くとおれには思えるのだが…。

 ■安田 猛(やすだ・たけし) 1947年4月25日、福岡県生まれ、63歳。小倉高校、早大、大昭和製紙を経てヤクルト入り。10年間投手として活躍し、通算93勝80敗17セーブ。いしいひさいち氏著の「がんばれ!!タブチくん!!」の準主役「ヤスダ」のモデルに。引退後もヤクルトで投手コーチ、スカウト、編成部長を歴任し、2009年オフに退団。今年1月、スワローズOB会長に就任した。

 

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