“ショフト”鳥谷の守備にもっと評価を

2011.05.09


鳥谷の守備には感服【拡大】

 「ミスタータイガース」掛布雅之さんにあこがれて小学2年生から野球を始めた僕は、高校進学時に7校の野球部から誘っていただいたんですが、そのうちの1校、香川の寒川高校を選んで甲子園を目指しました。

 香川県で県大会出場校は30数校。地元の大阪や兵庫よりも甲子園出場の夢がかなうチャンスが近いと決断したのですが、甲子園には届きませんでした。母校の他に誘っていただいた尽誠学園など6校は、すべて僕の高校在学中に甲子園に出場。悔しかったですが、主将を務めた経験は自分にとって貴重な財産でもあります。

 野球に打ち込んできた者としては試合観戦も「選手目線」が楽しい。東京住まいのため最近はなかなか甲子園に行けず、タイガースの試合を生観戦する時は主に神宮球場や横浜スタジアム。そんな時は決まって敵チーム側である一塁側の席で観るんですが、その理由は阪神ベンチの中の選手の表情がよく見えるから。

 例えば金本さんがエラーした時、コーチや他の選手はどんな表情をしてるか。若い選手がベンチで監督の前に座ってグラブを手にはめてチャンスが欲しいからアピールするのか、それとも端の方に目立たないように座るのか。あの選手、集中してないな、あの選手はよく声出しているな、とか。そうしたことに注意して見ていると、ホンマに楽しいです。

 僕は高校時代に主将で内野手だったこともあり、玄人調の視点で見て面白いのは遊撃手。選手会長の鳥谷敬内野手は思い入れのある選手の一人です。

 元来、僕が持っているチームリーダー像というのは「メシ行くぞー!」「飲みに行くぞー!」と強いキャプテンシーでチームを引っ張っていくという存在。ですが、鳥谷君はそんな昔の野球選手の豪快なイメージとは違って、野球への取り組み方、練習態度で周りを引っ張るチームリーダーですね。

 キャプテンはめちゃくちゃ図太い者か、めちゃくちゃ繊細な者か、どちらかに振り切れてないと務まらない。僕のいる世界(芸能界)でもそうですが、ちょうど真ん中というのでは、箸にも棒にもかからない。めちゃくちゃ繊細なんだと思います。

 僕のなかで理想の遊撃手は、実はヤクルトの宮本慎也選手。お会いした時に宮本選手がおっしゃっていた「本当のうまいプレーというのは、ファインプレーに見せないプレー」という言葉が心に残っています。

 イレギュラーの難しい球でもさりげなく打球の正面に入ってイージーゴロに見せる。そうすることで投手は「俺が打ち取ったんだ」と思える。それが本当の意味のファインプレーだというわけです。

 鳥谷は昨オフに惜しくもゴールデングラブ賞を獲得できなかったですが、投票権を持つ各記者も宮本選手が言う視点を心がけてみていれば、鳥谷にもっと票が入ってくるんではないか? と思うんです。

 派手なダイビングなどのプレーが少ないように見えて、金本さんの肩をカバーする“ショフト”(ショートとレフトの造語)みたいな役割も果たしている。ショートを守りながら年間150本安打を毎年のようにクリアしているのもすごいことですけど、もっと守備の方を評価されていいし、守備の賞を獲るべき選手だと思います。

 ■遠藤 章造(えんどう・しょうぞう) お笑いコンビ、ココリコ(相方は田中直樹)のメンバー。1971年生まれ。大阪府豊中市出身。趣味はゴルフ。「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)月曜レギュラーなどテレビの出演番組多数。今季からスポーツ専門チャンネル、J SPORTSの「マル秘メジャー」で番組進行役を務めている。

 

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