NPB記録員・貞比良広さん クレーム来ても「説得できるよう知識養いたい」

★NPBが3年ぶりに採用した記録員・ 宮内利浩さん、貞比良広さん

2012.10.12


新人記録員として奮闘する貞比良さん(左)と宮内さん【拡大】

 プロ野球では、今季もさまざまな記録とタイトル受賞者が生まれた。これらの記録も、すべての公式戦に立ち会う公式記録員の存在があってこそ。126人の応募の中から、3年ぶりに日本野球機構(NPB)が採用した新人記録員、宮内利浩さんと、貞比良広さんに“ルーキーイヤー”を振り返ってもらった。 (聞き手・笹森倫)

 −−記録員応募のきっかけは

 宮内「存在は知っていたが、深くは知らなかった。大学まで野球をやっていたので、審判の募集がないか気にしていたらホームページでたまたま見つけて。書類選考に通って試験会場に行ったら新卒が多かった。女性は1人だけでした」

 貞比良「僕も大学まで野球部。沖縄の名護だったので、日本ハムのキャンプの手伝いをしていた。去年は地元に戻ってマツダスタジアムでボールボーイ。プロ野球関係の仕事につきたいと思って、一昨年はNPBの事務職を受けた。去年は採用がないと思っていたら、記録員の募集を見て、これだと。試験内容は野球の知識とかを問われる筆記と面接」

 −−記録員デビューまでの道のりは

 宮内「まずオープン戦を見学して試合までの流れを学び、4月からは2軍の見学。球場によっては球団の人も近くでみている。ジャッジへの反応がそのまま帰ってくるからやりづらいな…と。デビューは5月下旬、浦和のロッテ−横浜DeNAの2軍戦。緊張したが“やっちゃった”のは5試合目ですね」

 −−やっちゃった?

 宮内「楽天の松井稼頭央選手が投手の頭を越える小フライを打って、遊撃手がはじいたので『ヒット』にしたら、両軍のベンチから『おい!』という反応が…。ずーっと引きずってしまって、最後に勝ち投手も間違えそうになった。幸い先輩が一緒にいたので事なきを得ました」

 −−貞比良さんは?

 貞比良「僕も5月下旬に鎌ケ谷で、日本ハムの2軍戦。キャンプで知っている顔ぶればかり。自分だけ立場が変わって、テンパりましたね。先輩方と自分を比べて思うのは引き出しの少なさ。以前見たものと似たような打球を参考に『これはエラー』と判断しても、『あの打球とは違う。同じ打球はない』といわれる。見ている打球の数が少ないので、経験の差を感じます」

 −−シーズン中はどのような生活を

 宮内「まだ担当は2軍戦だけ。出張は広島とか全部で3週間ほど。記録員は全部で22人いるので、シーズン中も休みは取れる。オフはデータをまとめて書物づくり。給料は『いいんでしょ?』とか言われるけど、同年代の会社員と同じくらい」

 −−今後の目標は

 貞比良「先日、1軍の試合を初めて担当した先輩は2軍で5年間勉強した。監督やコーチが『なんでなの?』と来ても説得できるように、もっと知識を養いたい」

 宮内「知識がないと冷静でいられないので、仮定のプレーを考えるより、たくさん試合を見て経験を積みたい。まだ先だが、ポストシーズンの大事な試合を任されるようになりたい」

 ■宮内利浩(みやうち・としひろ)1987年7月10日、千葉県松戸市生まれ、25歳。市立松戸高硬式野球部でエース、千葉商科大では軟式野球部。卒業後、一般企業を経て3月から現職。

 ■貞比良広(さだひら・ひろし)88年4月25日、広島県三原市生まれ、24歳。名桜大硬式野球部まで捕手。マツダスタジアムのボールボーイをへて、2月から現職。

 

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