巨人・尾花コーチとファームからプロ野球を盛り上げます!

2012.11.15


巨人2軍・尾花高夫投手コーチ【拡大】

 横浜からDeNAへの身売りに伴って昨オフ、一緒にユニホームを脱いだ尾花高夫前監督(55)。私がヤクルト2軍打撃コーチで現場復帰するのと時を同じくして、巨人2軍投手総合コーチへの就任が決まった。

 今オフは、巨人をはじめ3球団から1軍投手コーチを含めたオファーがあった。巨人を選んだ理由を聞くと「自分を必要としている理由が明確だから。今のチーム事情として“2軍の若手にいい選手がたくさんいる。彼らをさらにレベルアップしたい”ということだった」と説明してくれた。

 2月に巨人の春季キャンプを訪れた際、「いいのがおるな」と目を引く若手投手がたくさんいたという。その中から2年目の宮国椋丞(20)と小山雄輝(23)、新人の高木京介(23)の3投手が日本一に貢献している。

 「編成はあまり表舞台に出ないが、いい仕事をしているなと思った。そして素質ある選手がちゃんと1軍に来ている。フロントと現場がうまくいっている」と好印象を持った。

 それでも「なんでこいつらが出てこないのか」と興味を抱く逸材がまだまだいるらしい。一岡竜司(21)、笠原将生(21)、今村信貴(18)…。スラスラと名前が出てくるあたり、意気込みを感じる。

 「素質だけでは伸びない。1軍に上がるための考え方というのがある。目的・目標がはっきりしていること、そのために計画できること、その計画を日々実践できること。これがきちんとしていけば成長していける」

 求めるものは厳しいが、自らの研鑽(けんさん)も怠らないのが名伯楽たるゆえんだ。もともと学究肌で、1年間の充電期間は「教える技術はそこそこあると思う。でも人相手の仕事だから、人の動かし方を学ばないといけない」とさまざまなセミナーに参加。最先端の指導法を吸収する中で、特に米国で提唱された「選択理論心理学」には大いに刺激を受けたという。

 「今までの心理学は、強制とか命令で人を動かす外的コントロール。でも今は、家庭の中で両親に怒られる子が少ないから。内的動機付けを促しながら、自分から動かすにはどうしたらいいかを考える必要がある」

 読者の中で管理職を務める方にも、参考になる理論ではなかろうか。

 今季12球団一の防御率を誇った巨人が、尾花コーチの加入でさらに強化されるのは間違いない。同じリーグでペナントを争うヤクルトの一員としては、「強い巨人にまたややこしいのが入ったなあ」というのが本音だ。

 尾花からは「オレは巨人の2軍でいい投手を育てる。杉村はヤクルトの2軍でいい打者を育てる。そいつらが1軍でレベルの高い勝負をしてくれるよう、競い合っていこう」とエールをもらった。同い年のライバルとして、ともにファームからプロ野球を盛り上げていきたい。

 ■杉村繁(すぎむら・しげる)1957年7月31日、高知市生まれ。高知高時代は小柄なスラッガーとして「土佐の怪童」の異名を取り、高校3年時の1975年春の甲子園決勝では、原辰徳を擁する東海大相模高を自らの決勝打で破り優勝。同年ドラフトでヤクルトに1位指名され入団。87年限りで現役引退後は長く球団広報を務めた。00−07年はヤクルト、08−11年は横浜で打撃コーチなどを担当し青木宣親、内川聖一らを指導。水島新司氏の野球漫画「ドカベン」に登場する微笑三太郎のモデル。来季はヤクルトに復帰、2軍打撃コーチを務める。

 

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