ヤクルト・ユウイチが導いた! ブラジル、WBC本大会出場の快挙

2012.11.22


ユウイチ(手前)は主将を務めたブラジル代表でWBC進出を決めた(ロイター)【拡大】

 前回優勝の侍ジャパンは免除された、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の予選が20日に終了。本大会への最後のキップをつかんだのは、サッカー王国のイメージが強い初出場のブラジル代表だった。

 「予選最大の驚き」と称賛された快挙には、ヤクルトゆかりの選手たちも大いに貢献した。現役では主将を務めたユウイチ外野手(31)をはじめ、ラファエル・フェルナンデス(26)、ウーゴ(23)両投手。OBにも社会人ヤマハ所属の佐藤二郎内野手(32)=登録名ツギオ=や、曲尾マイケ外野手(21)がいる。

 予選会場は地球の裏側のパナマ。国際電話をかけると、ユウイチは「日本の夏くらい暑い。雨も毎日降ります」と笑いつつ、「これまでブラジル国内では全然、話題にならなかったが、これで野球の扱いもよくなると思う」と声を弾ませた。

 4カ国で1つの出場枠を争う予選で、本命は過去2大会に出場し現役大リーガー4人を擁する地元パナマ。だがブラジルは、15日の初戦でパナマに3−2と競り勝って金星を挙げると、17日の第2戦でもコロンビアに7−1で快勝した。19日の決勝は先発フェルナンデスらの好投で、再びパナマを1−0で退けた。

 ユウイチは「正直、ブラジルはバカにされていた。初戦の前にテレビではパナマが勝つ確率が90%と言っていた」と明かす。国際野球連盟(IBAF)の世界ランキングでも、パナマは15位でブラジルは28位だ。ユウイチは主将として「向こうが勝つのは当たり前。僕らは練習でやってきたことを試合でやろう」とナインを鼓舞。大番狂わせを演じた。

 ユウイチがブラジルの高校を卒業し、同じ日系人のツギオとともにヤクルトに入団したのは1999年。日本語は片言で、食べる物も違う。それでも歯を食いしばって頑張った。外国人枠の問題で1軍での出場機会は限られていたが、2004年に日本人と結婚して帰化。活躍の場を広げ、今季も左の代打の切り札として活躍した。

 日本人大リーガーのパイオニアが野茂英雄なら、日本でプレーするブラジル人野球選手のパイオニアといえる。ブラジルの若者が、高校や大学から日本に野球留学する道をつくった。

 WBCは出生国の代表として出場できる。7月に代表入りを打診され「うれしかった。迷いなく“行きます”と答えた」。1日からブラジルで行われた合宿の招集メンバー28人のうち、日系人は12人。社会人や大学を含め日本でプレー経験がある選手が半数近い。残りは、今季ブラジル出身初の大リーガーとなったヤン・ゴームズ捕手(25)=インディアンス=ら、北中南米の球団所属だ。キューバ出身の2人を除けば最年長のユウイチは主将として、最年少は16歳という若いチームを引っ張った。

 指揮官はレッズ一筋の名遊撃手として殿堂入りも果たした、バリー・ラーキン監督(48)。「日本の細かいきちんとした野球と、メジャーのスタイルのミックス。それが今のブラジル。試合ではバントやヒットエンドラン、右打ちもしっかりやる」とユウイチは説明する。

 下馬評を覆した最大の要因は「1人ひとりがやることをしっかりして、ミスもあったがカバーしたこと」という。試合ごとに団結力と精度を高め、歓喜のビール&シャンパンかけにつなげた。

 来年3月に始まる本大会での健闘を祈るとともに、貴重な経験をヤクルトに持ち帰ってほしい。

 ■ゆういち 1980年12月18日、ブラジル・サンパウロ州生まれ、31歳。元日系3世のブラジル人で、04年に日本国籍を取得後の本名は松元雄一。ワシントン・ルイス州立高時代はブラジル代表の4番打者を務め、99年に野球留学選手の1人としてヤクルト入団、02年に1軍初出場。今季まで通算391試合出場、打率・256、7本塁打、71打点。外野手、左投左打、身長178センチ、体重82キロ。

 ■杉村繁(すぎむら・しげる)1957年7月31日、高知市生まれ。高知高時代は小柄なスラッガーとして「土佐の怪童」の異名を取り、高校3年時の1975年春の甲子園決勝では、原辰徳を擁する東海大相模高を自らの決勝打で破り優勝。同年ドラフトでヤクルトに1位指名され入団。87年限りで現役引退後は長く球団広報を務めた。00−07年はヤクルト、08−11年は横浜で打撃コーチなどを担当し青木宣親、内川聖一らを指導。水島新司氏の野球漫画「ドカベン」に登場する微笑三太郎のモデル。来季はヤクルトに復帰、2軍打撃コーチを務める。

 

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