大道典嘉氏 王会長から「昔の練習みたいにバット振り込ませてくれ」

★来季ソフトバンク2軍打撃コーチ・大道典嘉氏(43)

2012.12.28


大道コーチは請われて古巣のソフトバンクに戻る【拡大】

 “南海最後の戦士”がホークスに帰ってくる。来季からソフトバンクの2軍打撃コーチに就任する大道典嘉氏(43)。米大リーグ・ヤンキース傘下のマイナーチームにコーチ留学し、今季は巨人に戻って育成コーチを務めた。わずか1年で転出に至った意外な経緯とは−。(聞き手・笹森倫)

 −−巨人退団は予想外。まさかトラブル?

 「いやいや。10月中旬にジャイアンツ球場で練習中、球団の人に呼ばれて“ホークスから呼ばれた”と」

 −−仁義を切ったことになるが巨人は

 「その場で初めて、去年も“大道を戻してほしい”という話が来ていたと教えてもらった。王(貞治ソフトバンク球団)会長の頼みだし、巨人としてもさすがに2年目だから−と。呼ばれていくというのはコーチ冥利に尽きるよね」

 −−原辰徳監督やチームメートは

 「監督は“頑張ってこい。また勉強してこい”と。一番の仲良しの(阿部)慎之助も“寂しいです”と言ってくれた。ガッツ(小笠原道大内野手)とも2人で飲んだしね。東京を離れたくない思いは正直ある。選手に教えたのは1年だけで、今後の成長も見たいし」

 −−ホークスのユニホームは7年ぶりに

 「南海時代から19年いたチームだし、成績はいつも気にしていた。将来戻れたら…という思いはあったが、ちょっと早まった感じ。現役で知っている選手は松中(信彦内野手)くらいしかいないけど、一緒にやっていた秋山(幸二)監督や鳥越(裕介内野守備走塁)コーチもいる。全く知らないところよりやりやすいが、見られているというのもあるかな」

 −−王会長からは何か

 「“昔の練習みたいに素振りやティー打撃で、手がバットから離れなくなるくらい振り込ませてくれ”といわれたね。実際にオレらのときはそうだったから」

 −−すでに秋季キャンプから指導を

 「特に打撃陣は素質、素材がいい。巨人と比べて1軍と2軍の差がない。柳田(悠岐外野手)や今宮(健太内野手)は楽しみ。どこも育成選手をやめたり縮小する中で、しっかりアマの受け皿になっているから層の厚さを感じた」

 −−現役引退後は米国やセ、パ両リーグで指導に忙しい

 「強豪チームで勉強してきた自負はある。日本では繊細で緻密な技術、米国ではメンタル的な部分を学んだ。コーチ留学は600万円かけて自費で行ったけど、なんでも勉強だから」

 −−守りに入らない

 「サラリーマンの世界も一緒だと思うけど、コネとかツテで仕事するのはバブル時代まで。今は自分でやればやっただけ、必ず給料で評価される。“これしかできません”じゃなく、まだまだ勉強の余地やチャンスはあると思う」

 ■大道典嘉(おおみち・のりよし) 1969年10月28日、三重県志摩郡大王町(現志摩市)生まれ、41歳。明野高から、87年のドラフト4位で南海に最後の入団。独特な打撃フォームの巧打者としてダイエー、ソフトバンクで活躍。2006年オフに戦力外となり、巨人移籍後は代打の切り札として存在感をみせ、10年に現役引退した。同オフに本紙でコラム「全部バラします!」を連載。11年は米大リーグ・ヤンキース傘下マイナーで巡回コーチ、今季は巨人育成コーチ。来季からソフトバンク2軍打撃コーチ。プロ23年で通算1356試合、打率・284、60本塁打、415打点。右投げ右打ち。184センチ、96キロ。

 

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