2軍で教える楽しさ ヤクルト・由規の弟、貴規は逸材だ!

2013.03.29


杉村コーチが期待する佐藤貴【拡大】

 セ・リーグの開幕より一足早く、イースタン・リーグは16日から公式戦が行われている。

 これまで1軍のコーチしか経験がなかった私にとって、2軍打撃コーチ就任で1日のサイクルは一変した。午前6時に横浜市内の家を出て埼玉県戸田市の2軍球場に行き、帰宅は午後8時過ぎ。1日が本当に長い。

 だが今まで味わったことのない楽しさ、やりがいを感じている。

 選手たちは1軍のレギュラーが目標。そこをゴールとしてどういう練習が必要か、どうしたら積極性や闘争心が出てくるか。イロハから教えることになるが、ファームのほうが現状を打破し、伸びてくる様子は鮮明だ。チームの将来を担う若手の成長の過程に携わることは、自分でも想像しなかったほどに楽しい。

 将来性のある選手もたくさんいる。最たる例は由規投手(23)の実弟、佐藤貴規外野手(20)だ。育成ドラフト3位で入団し3年目。2月のキャンプで「こんな選手が育成にいるのか」とびっくりした。青木宣親(現米大リーグ・ブルワーズ)を初めて見たときは驚かなかったが、近年なら横浜DeNA・筒香嘉智内野手(21)以来の衝撃だ。

 どのボールも一定の形で打ちにいくバット軌道、ヘッドスピードの速さ、スイングのバランス。足が速いから内野安打も期待できる。うまくいけば1軍でレギュラーを獲れるし、首位打者さえ狙える逸材だ。

 こうした有望株に、1軍のチームカラーの「いやらしい野球」ができる知識と技術を仕込むことが、われわれの仕事だ。

 選手には「打つ、打たない」の結果論でなく、考え方の部分で話をさせてもらっている。ある試合で、動く球が特徴の投手を攻略するため「低い球は捨てろ」というチーム方針を出したが、ことごとく手を出して抑えられた。試合後「決めたことは集中力を持ってやらないといけない。明確にやることで得るものがある」と伝えた。

 また「打てないなら試合の中で何かを変えないと。バントの構えや、打席で少し前めに立つとか」とも話した。すべては1軍でのプレーを念頭に置いたものだ。1軍なら完封された投手と中5日で再戦することもある。相手バッテリーに「きょうはちょっと違うぞ」と思わせることだ。同じ失敗を繰り返す選手は、1軍では生きていけない。

 キャンプで教えた選手が、1軍に上がって打つとうれしい。「きょうはどうだったかな」と、親族になったような気持ちだ。1人でも多くの“いやらしい選手”を、戸田から1軍の小川淳司監督(55)のもとに届けたい。

 ■杉村繁(すぎむら・しげる) 1957年7月31日、高知市生まれ。高知高時代は小柄なスラッガーとして「土佐の怪童」の異名を取り、高校3年時の1975年春の甲子園決勝では、原辰徳を擁する東海大相模高を自らの決勝打で破り優勝。同年ドラフトでヤクルトに1位指名され入団。87年限りで現役引退後は長く球団広報を務めた。00−07年はヤクルト、08−11年は横浜で打撃コーチなどを担当し青木宣親、内川聖一らを指導。水島新司氏の野球漫画「ドカベン」に登場する微笑三太郎のモデル。今季はヤクルトに復帰、2軍打撃コーチを務める。

 

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