日本ハム・大谷、目指す打者は松井かイチローか

2013.05.09


大谷翔平【拡大】

 投打二刀流で注目される日本ハムの大谷翔平投手が、1軍復帰戦の西武戦(4日、西武ドーム)で2安打しました。

 1日のイースタン・リーグロッテ戦(鎌ケ谷)を見たときは、老練な相手先発のグライシンガー投手に手玉に取られ、自分のスイングをさせてもらえませんでした。「1軍で使うなら、成績は我慢して、長い目で見て育てないといけないかな」と思ったのですが、しっかり消化して反省を生かせていました。

 大谷と同じ右投左打の好打者はたくさんいますが、本来の利き腕がどちらかで意味合いは全く違ってきます。

 もともと左利きで、投球だけ右に矯正した代表例は元阪神の掛布雅之さん、巨人・阿部慎之助捕手、阪神・鳥谷敬内野手、米大リーグ・ジャイアンツ傘下マイナーの田中賢介内野手ら。ボールをとらえた後に利き腕で押し込める上“利き下半身”のパワーも相まって、逆方向にも強い打球を打つことができます。

 大谷は右利きで中学時代に打撃だけ左にしたので、メカニズムは異なります。いわゆる“つくられた左打”はリードする側が利き腕なので、器用にバットコントロールできるのが強みです。

 近年の代表例は国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏と、引退後の同賞受賞が確実なヤンキースのイチロー外野手でしょう。

 松井は体の力の強さをベースに、基本に忠実な打撃の再現性を追求します。ただ大リーグでは本塁打を量産できなかった背景として、押し込む左腕が利き腕でないことによるパワー不足があったことは、本人も認めているところです。

 一方のイチローはスピードと体の柔軟性がベース。柔らかさをパワーに変えることもでき、体勢を崩しながら低めのボール球を拾い安打にもできる。テレビ映えする曲芸打ちを「イチローならでは」「うまい打撃」と称賛する風潮がありますが、あくまで基本があっての発展技。あまり見習ってほしくないのですが、してはいけないことに限ってまねたくなるものです。

 大谷もリードとなる右腕でうまくさばき、低めのボールになるような変化球をフェアゾーンに飛ばすのはお手の物。ときおりいいところに飛んで安打になると、「巧打」と言われたりしますが、それは結果論。しっかり引きつけてコンパクトに振らないと、強い打球は打てません。

 体が大きいので普通の高校生より飛距離も出たでしょうが、今後は松井が大リーグで直面したような現実に向き合っていく必要があります。腰の入ったスイングには、体幹の強さが求められ、大谷の体にはまだ一本筋の通った「柱」がない印象です。今のところ柔らかさが目立ちますが、体を鍛えていくと違うタイプになるかもしれません。

 目指すべき打撃スタイルに近いのは松井か、イチローか。答えを出すにはもう少し時間がかかりそうですが、自分なりのスタイルを確立してほしいです。 

 ■金森栄治(かなもり・えいじ) 1957年1月24日、金沢市生まれ。PL学園高、早大、プリンスホテルを経て81年ドラフト2位で西武入団。捕手から外野手に転向し、85年にベストナイン、ゴールデングラブ賞。88年途中にトレードで阪神へ。92年オフに戦力外になるとヤクルトに移籍した。96年限りで現役引退後はヤクルト、西武、阪神、ソフトバンク、ロッテで打撃コーチなどを務めた。2007−09年はBCリーグ・石川で監督。2年連続死球王、大飛球を追って甲子園球場のラッキーゾーン落下など“殿堂級”の珍プレーでも人気を博した。中高の体育教員免許を持ち、07年に早大大学院修士課程を修了。

 

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