2011年11月に巨人の球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)を解任された清武英利氏(63)と、巨人側が互いに損害賠償などを求めて争っている裁判が18日、東京地裁でついに結審。判決は11月27日に言い渡されることになった。
巨人関係者は「公正な判断をしていただけると考えています」と自信をうかがわせた。一方、この日出廷した清武氏は「3年の長きにわたって正々堂々と戦った」とコメントした。
さらに、巨人が前日17日に“未完の大器”大田の逆転2ランで優勝マジックを「8」に減らした話題を振ると「大田、打ったねえ。亀井も復活しているし、橋本の活躍がうれしい。巨人のことは今でも好きだよ」と笑顔。「大田と橋本は同じ年(08年ドラフト)の入団でA群とB群。特に橋本については『ほら、来たじゃないか』という気持ちになる」と続けた。
清武氏は球団代表在任中、自身の発案でドラフト候補の高校生のうち1位級のエリートを「A群」、体格に恵まれず従来なら指名を見送り大学、社会人に進んだ後に追跡調査するにとどめていた“大器晩成型”を「B群」と分類。B群からも積極的に獲得するよう号令したと語っている。
1位入団で身長188センチ、95キロの大田はA群、172センチの橋本はB群だったワケだが、現実には大田は1軍と2軍を行ったり来たり。対照的に橋本は今季ブレークしレギュラーに定着した。
自ら読売グループトップの渡辺恒雄球団最高顧問に反旗を翻し、同グループを敵に回している清武氏だが、巨人の強さの中にひそかに自身の貢献度を見いだして喜びとしているのか。とはいえ、2年連続V逸していた巨人は清武氏解任後の12、13年に連続リーグ優勝。今季もリーグ3連覇達成を目前にしている。
この3年間に、巨人は清武氏が反対していた村田の獲得を敢行。今季も大竹、片岡、井端らを大量補強し、清武氏在任中とは隔世の感がある。
ファン目線からみると、巨人側と清武氏の法廷バトルも風化の一途。それでも11月27日の判決後、どちらかが控訴すれば、裁判は高裁、最高裁へと長引くことになる。 (宮脇広久)