阪神は1日、負ければ3位が決定する今季最終戦の相手・広島に4−2で勝ちゲーム差は0。順位確定は5日の巨人−広島戦後に持ち越され、2位確保が来季続投への最低条件とされる和田豊監督(52)には、待ち遠しい日々となる。
「やるだけのことはやったので、チームとしてはクライマックスシリーズ(CS)の準備に入る。意地らしきものは見せられたかな」。険しい表情を浮かべながら手応えを口にした指揮官に対し、球団内には「3位でも続投」の機運がある。
続投の最低条件とされた2位確保の理由は、失速のイメージ解消だ。最終決定権を持つ坂井球団オーナーが「一番気にしていたのも、昨季のような後半の大失速だった」(球団関係者)。だがこの日の勝利で9、10月は13勝13敗、勝率5割。昨季10勝18敗2分で同・357だったことを思えば「失速に歯止めをかけたともいえる」(同)。
和田監督が退任した場合の最有力後任候補とされている元監督の岡田彰布氏への“アレルギー”も球団内にはありそうだ。「岡田さんはとにかく物言う監督。選手以上にスタッフの方が戦々恐々としている」と別の関係者。気遣いの和田監督への支持派が多いのも、続投機運が流れる要因といえそうだ。
もちろん、首位打者や最多勝などタイトル獲得が濃厚な選手をそろえながらV逸。CSで惨めな敗退をすれば、責任問題に発展することは確実。指揮官も「現状が2位争いということになったんで、可能性のあるところに対して全力、最善を尽くす。まあ、すべて終わってから振り返ろう。今はまだ先があるから」と気を引き締めた。
結論はあくまでCS後。だが「3位でも、役目はきっちり果たしているのでは」という声が球団内にあるのも確かだ。