ソフトバンクが、米メッツからFAとなった松坂大輔投手(34)に対して、最長6年にも及ぶ“超ビッグ待遇”を用意していることが4日、分かった。
メジャー残留を第1希望にしているといわれる松坂だが、ソフトバンク関係者は「国内ではウチが一番手でしょうね。松坂投手が米国に区切りをつけて“福岡に行きます”と言えば1回で交渉はまとまる。一発で決まりでしょう」と、自信満々。その根拠は来年35歳になる右腕に対しての最長6年に及ぶ長期契約を用意していることだ。
球界関係者によれば、ソフトバンクは「松坂が来年も中継ぎ中心で先発機会が限られる場合は、日本復帰もあることを把握していた」。右腕の持っているプロ人生への強いこだわりを察知し、徹底調査を続けていた。そのこだわりとは40歳での現役を視野に入れての日米通算200勝を達成することだという。
今季終了時で日米通算164勝の右腕は200勝まで残り36勝。来季も苦労することが濃厚な米球界に残ってもマイナー生活を余儀なくされる可能性は大きい。「来年も先発したいという気持ちは変わらない」と先発一本に懸ける決意が、松坂が譲れないこだわりだ。
そんな思いを汲み取っての“200勝&40歳現役”を保証する破格待遇だが、十二分に元がとれるわけがある。
「今年も故障に泣いて成績は振るわなかったけれど、来季、王会長と 工藤監督のもとでやれば十分に復活できる判断もある」(球団関係者)
松坂を再生できれば、球団にとって大きなメリットが生じる。今季は摂津、中田、スタンリッジが2ケタ勝利を挙げたが先発陣の軸となる存在を欠いた。だが松坂が復活を遂げれば、投手陣の精神的支柱の役割を担える上に、日米で培った経験とスキルを見せることで若手投手に与える相乗効果も期待できるからだ。
最長6年の複数年提示は松坂が目指す40歳現役とも一致する。「金額面もメジャー球団には出せない条件。必ずウチに入ってくれるはずです」(球団関係者)。これから始まる本格交渉に目が離せなくなってきた。 (スポーツライター・梶原昌弥)