楽天・大久保博元新監督(47)は一部ファンによる反対署名運動など“逆風”の船出となったが、倉敷秋季キャンプ(11月2−19日)で本格始動。「僕の監督就任は社内の人事異動のようなもの」とどこかで聞いたようなセリフも飛び出した。 (聞き手・宮脇広久)
−−倉敷キャンプの感想は
「選手たちは2軍監督時代からよく知る顔ぶれで、違和感はなかった。橋上ヘッド以下、新任コーチ陣は期待していたものに3つも4つも付加価値をつけて練習メニューを組んでくれたので、ストレスも滞りもなく終わりました。いまシーズンが開幕してもいい感じ」
−−1軍監督の“椅子”の座り心地は
「よく『プロ野球の監督は日本に12人しかいないんだぞ』といわれるけど、そんな風に思っていないし、監督が特別偉いものとも思っていない。このチームに3年もお世話になっていて、上司の星野(前)監督から『やれ』といわれたことをやるだけ。社内の人事異動のようなものですよ」
−−10月14日朝、2軍監督として滞在していた宮崎から電話で仙台に呼びつけられ、星野前監督から「おまえが監督をやるんだ」と告げられた
「そうです。僕は球界追放みたいな格好で西武を解雇され、星野監督にこのチームに呼んでいただきました。星野監督がやれというなら、2軍マネジャーでも用具係でもやるつもりでした」
−−キャンプ中は毎日練習の前後にコーチ陣と会議を開き、最長で1時間40分に及んだことも
「僕にはこういう野球をやりたいというビジョンがあり、橋上さんにもある。2軍コーチに就任した酒井忠(BCリーグ・福井前監督)はNPBでコーチをやるのは初めてだそうですが、彼にも苦労してきたからこそのビジョンがある。話し合い、わかり合い、前へ進んでいきたい」