極めて日本的な“金子FA騒動” 駆け引き含めフル活用は当然の権利 (1/2ページ)

2015.01.16


 金子投手は自ら獲得した権利をしっかりと行使した【拡大】

 読者の皆さん、初めまして。私は2005年から10年間お世話になった福岡ソフトバンク・ホークスを昨年いっぱいで退団。江戸川大学(千葉県流山市)に戻り、教鞭を執ることになりました。私の専門であるスポーツ経営学の視点からさまざまな事象を解説していけたらと思います。

 昨年末にプロ野球界を騒がせたのは、オリックスから国内FA宣言した金子千尋投手でした。彼が権利を堂々と主張する姿は、空気を読み世間体を重んじる昨今の風潮に一石を投じているように見えました。非日常の“ハレ”の世界であるプロ野球はこうでなくちゃ、と頼もしく思いました。

 しかし、多くのメディアは金子投手が米大リーグと国内球団を“てんびん”にかけているなどと批判的に報じていました。日本では今もって、おカネの絡む条件闘争で正面切って権利を主張すると、批判の矢面に立たされるということですね。う〜ん。

 FA制度とは入団時に球団選択の自由がなく(ドラフト制度)、入団後も球団が拘束できる(保留制度)ことに対する補償を求めた米大リーグ(MLB)の選手会が、血みどろの法廷闘争の末に勝ち取った仕組みです。長年活躍した選手がやっと獲得できる、自分を“競り”にかける権利です。駆け引きも含め権利をフル活用するのは当然のこと。ましてや野球選手として輝ける期間は短く、再びその権利を得られるか分からないのだから、ここぞと力も入る。

 それでいいじゃないのと私はいつも思っているのですが、わが国における現実は導入から20年以上を経た今も「カネで動いたと思われたくない」「札束で頬をたたいて獲得したとはいわれたくない」という空気が支配するものですから、選手も獲得球団側も、おカネ以外の理由でオブラートに包むことになるのです。

 

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