100年前にあった幻の「第3の大リーグ」 わずか2年で儚く消え…

2015.06.07


和田はホエールズ時代のユニホームで登板(AP)【拡大】

 大リーグの復刻ユニホームには古い歴史を知る楽しみがある。5月31日・ロイヤルズ戦でカブス・和田毅投手が先発した際に着用したユニホームもその1つ。何と100年前に幻のリーグで優勝したホエールズのものだ。

 1911年に話は遡る。アディ・ジョスという大投手が若くして急死すると、選手たちは未亡人のために慈善試合を開催。そうそうたるメンバーが集結し、1万ドル以上の寄付金を集めた。彼らにとって将来への不安は他人事でなかったのだ。

 当時、大リーガーは年金も失業保険もなく、労働者として無力な存在だった。12年に彼らは選手会を作り待遇改善を求めたが、オーナーたちは取り合おうとしなかった。そこに状況を一変させる歴史的事件が起こった。

 14年、第3の大リーグとしてフェデラル・リーグが設立。球界進出を狙った実業家たちがスター選手の獲得に乗り出し、大リーグにもないFA権を与えた。その結果、実に81選手が移籍した。

 フェデラル・リーグには8球団が参加、順調に滑り出した。古い球場は改装され新球場も次々にオープン。シカゴにはウィーグマンパークという球場が造られ、ホエールズという新チームが誕生。15年に初優勝した。

 しかしア・リーグの会長にとって、新興リーグは目障りな存在だった。かつて、自分がナ・リーグに邪魔されたように対抗勢力を潰しにかかった。移籍選手をブラックリストに入れると脅し、残った選手の給料も上げることを約束した。

 新リーグのオーナーたちも黙っていなかった。シカゴの連邦地裁に「大リーグは独占禁止法に違反している」と訴えた。だが、皮肉にも裁判が長引く間にリーグは運営難に陥り、わずか2年で解散を余儀なくされた。

 翌16年からホエールズの球場はカブスの本拠地球場となり、後にリグレーフィールドと改称。ここは第3の大リーグとして出現しながら儚く消えたフェデラル・リーグの貴重な遺産である。 (大リーグ評論家・福島良一)

 

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