ルール変更させた“左右両投げ”投手 アスレチックスのパット・ベンディット

2015.06.12


ベンディットの両投げは日米の野球規則をも変更させた(AP)【拡大】

 漫画『ドカベン』に、こんな場面があった。木下次郎(通称わびすけ)という「スイッチ投手」が登場。左右両投げを生かした投球で、主人公の山田太郎を苦しめた。

 だが現在、山田が左右どちらかで迷うことはない。野球規則が追加され、投手はどちらの手で投げるか明らかにし、その打者の打席が終了するまで投球する手をかえられなくなったからだ。

 このきっかけとなったスイッチ投手が5日(日本時間6日)、プロ8年目でメジャー初登板を果たした。アスレチックスのパット・ベンディット(29)で、レッドソックスを相手に2回1安打無失点。左投げで1人、右で5人を抑えた。

 「ここまで本当に長かった。さまざまな感情が込み上げてきた」というベンディットに初めて会ったのは、2010年の春季キャンプ。当時はヤンキースのマイナーに所属していた。

 日本の漫画にスイッチ投手が出てくることを伝えると大喜びで、まだ珍しかった動画撮影も快諾。日本のミズノ社に父親がイラストを描いてFAXで特注したという、指部分が6本、捕球網が2つあるグラブを披露してくれた(ビデオ初心者の筆者による映像はユーチューブで閲覧可能)。

 かつて大リーグの規則は「投手も打者も左右の変更は1打席で1度だけ」で、投手と打者のどちらが先に選択するか決まっていなかった。だが2008年にベンディットがスイッチ打者と対戦すると、互いに左右を替え続けて試合が中断。球審が打者に打席を決めさせて再開した“事件”を機に、投手が先に投げる手を告げる規則が加えられた。“ベンディット・ルール”と呼ばれるだけあって、本人も「スイッチ打者は試合前に成績を調べておき、苦手な方の打席に立たせる」と対策を明かしていた。

 ア軍の本拠地オークランドは先月末、サンケイスポーツが企画した米大リーグ観戦ツアーの案内役として訪問。もう1週間早く昇格していれば再会できたのに、残念だ。

 ■田代学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。フジテレビが発信するニュース専門チャンネル「ホウドウキョク」内の「さらのちゃんねる」に毎週金曜午前11時頃から出演中。

 

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