今夏の高校野球地方大会で最大の注目を集める早実のスラッガー、清宮幸太郎内野手(1年)が24日、西東京大会準決勝の日大三高戦に「3番・一塁」で先発。決勝打となる右中間フェンス直撃の2点適時二塁打を放ち、2−0の勝利で甲子園に王手をかけた。
第1シードの優勝候補を迎え撃つ大一番。下馬評では不利とみられていたが、番狂わせの主役を見事に演じた。1打席目で敬遠気味の四球を選んだあと、0−0のまま迎えた3回2死一、三塁からの第2打席でスタンドをどよめかす一撃を放った。
「相手投手も要所を押さえてきていた。ここで打たないと苦しくなる」と清宮。直前のきわどい変化球を「自分でも『ああっ』と思った」というが何とか見極め、フルカウントから甘く入った130キロの直球をジャストミート。もう少しで柵越えの強烈な二塁打で2点を先制し、エース松本皓(3年)が3安打で完封した。
清宮は後続打席で、春の都大会から公式戦8試合目にして初の三振を喫し、3打数1安打2打点、1四球2三振。今大会の通算成績は16打数9安打9打点となった。
“清宮フィーバー”に沸く神宮には平日では異例の1万3000人が詰めかけ、報道陣も22日の準決勝・八王子戦を上回る34社147人。午前9時の試合開始に合わせて、通常より30分早い同7時30分の開門が予定されていたが、さらに30分前倒して同7時に開門して対応した。
26日の決勝の相手は東海大菅生−国学院久我山の勝者。「野球を始めるきっかけが(子供のころに観戦した)甲子園。そこで楽しくプレーしたい。(決勝は)どんな球でも打ってやる、という気持ちで、絶対勝って甲子園に行きたい」と清宮は甲子園行きを宣言。
清宮の後を打つ主将の4番加藤雅樹(3年)は「1年とは思っていない。すごい打者なので信頼して安心して見ている」と全幅の信頼を寄せていた。