イチローの敵は“無関心” ヤ軍時代に本音吐露「一番つらい」

2015.08.14


イチローは「無関心」という名の強敵と戦っている(共同)【拡大】

 隔世の感がある。筆者が米国の支局に赴任して大リーグの取材を始めた2001年、当時の野球担当デスクからこう指示されたことがある。

 「内容は何でもいいからさ、イチローで80行書いておいてよ」

 このシーズン中、サンケイスポーツの1面は、マリナーズ移籍1年目のイチローが約3分の2を占めた。試合がなくてもイチローの見出しで1面。80行のメーン原稿と、ミニコラムの「イチロー日記」がルーチンワークで、毎週月曜日には米地元紙シアトル・タイムズの番記者コラムを翻訳していた。

 スポーツ紙の1面には、世間や読者の関心が顕著に反映される。背番号「51」の一挙手一投足に注目が集まっていたし、対戦相手の感想やメディアの反応まで報じるだけのニーズもあった。だが近年は、サンスポに限らず、イチローの記事はめっきり小さくなってしまった。

 そんなメディアやファンの関心について、イチローはヤンキースに所属していた13年8月、日米通算4000安打を達成した直後の会見で、自身の考えを明かしている。

 「僕のことが大嫌いで、嫌いなのに僕のために時間を使う人もいる。でも、それは僕のためにエネルギーを使ってくれていることなのでうれしい。一番しんどいのは無関心。無関心を振り向かせるのは無理。それが一番つらい。大嫌いでも関心があったらうれしい」

 今季は外野手4番手としてマーリンズ入り。7月の月間打席数は移籍後で最も多かったのだが、月間打率・195と低迷した。8月中旬になってもシーズン打率は・250(12日現在)にとどまっている。これまでなかったことだが、全盛時のように「異変」などと騒がれなくなった。

 首位打者12度を誇るタイ・カッブを日米通算での安打数で追い抜いても、米国では話題にならない。かつての熱狂を知っているだけに、この無関心ぶりは寂しい限りだ。

 ■田代学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。フジテレビが発信するニュース専門チャンネル「ホウドウキョク」内の「さらのちゃんねる」に毎週金曜午前11時頃から出演中。

 

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