一般企業ではあり得ない非情な世界 コーチへの解雇通告は毎年修羅場 (1/2ページ)

2015.12.03


ソフトバンクを退団した吉井投手コーチが日本ハム首脳陣に再び加わった(左は栗山監督)【拡大】

 球界の人事情報がスポーツ紙をにぎわすこの時期は、球団フロント責任者にとって胃の痛い日々が続きます。自分の決断がチームの命運を左右する緊張感に加え、“クビ切り”をしなければならないからです。

 私もソフトバンクで経験しましたが、選手に対する戦力外通告はまだいいのです。プロ野球選手という稼業は、限られた時間内に結果を出せなければ去らなければならない。誰もが分かっているこの世界のおきて。一時の感情を越えれば、早めに転身を図るのは本人の将来のためでもあり、たいてい割り切れるものです。

 割り切れないのは、コーチです。日本の企業社会では業績が悪い場合、工場閉鎖に伴う大量解雇や早期退職の募集などはあっても、真面目に仕事をしている特定の個人を理由もなく解雇することはありません。ところがプロ野球界のコーチ人事では、そんな修羅場が年中行事のように繰り返されるのです。

 球団に求められた仕事を一生懸命やった、何らトラブルを起こしたわけでもない、そんな方に来季の契約は結べませんと告げることがあります。12球団合わせてもコーチの椅子の数は限られている。圧倒的な供給過剰のもとで監督交代、人間関係など諸般の事情が絡むゆえの理不尽です。一歩引いて研究者の立場から俯瞰して、改めてプロ野球業界にとってシリアスな問題と感じています。

 プロ野球の世界でコーチになれるレベルまで専門スキルを磨いた方々が、球界内に安住の地を見いだせないようでは、少子化が進み安全志向が強くなった昨今の若者には魅力を感じてもらえなくなってしまうのではないか。米大リーグのように1軍で10年やれば、つつましい生活であれば一生問題なく暮らしていける年金をもらえるシステムが日本野球界にあるのなら全て解決します。しかし、わが国のスポーツ市場ではまだムリです。

 

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